22話:数字
この世界に突如現れた異能だが、それには法則性があるのではないかと考える科学者もいるらしい。あるとき、俺が聞いた話では、数字を持つ姓や特殊な姓に多いらしい。前者は、それなりに居るため分かっているが、後者に関しては、何が特別かの詳細が不明のため、よく分かっていない。
異能を持つことで有名な数字の付く姓。
一の付く姓は、一列や一禊、一条冶、一花、一之瀬、一色、一柳、一谷、一樹などがある
二は、二木や二宮、二継、二階堂、二条、二蔵、二垰など。
三は、三枝や三菱、三縞、三城(みきと読む場合もある)、三蔵、三京など。
四は、四河や四之宮、四方音、四條、四ツ谷、四葉、四月朔日(なお四月一日と表記した場合も同様である)、四十物などである。
五は、五十嵐や五木、五反田、五月、五王、五和、五十里、五代、五刻など。
六は、六花や六車、六明、六倉、六日、六波羅、六杉、六本など。
七は、七夜や七星、七天、七海、七次、七楽、七宝、七夕、七草(さえぐさと読む場合もある)、七唄、七空、七雪、七種(さえぐさ、しちくさ、しちしゅと読む場合がある)など。
八は、八刀神や八尋、八坂、八神、八十、八重桜、八乙女、八塚など。
九は、九十九や九曜、九十三、九石、九社、九条、九浄(九淨と表記する場合もある)、九々麗など。
十は、十文字や十牙、十柄、十楚、十石など。
主だった、一から十をあげたが、その他にも、廿日や百などがある。
俺の知り合いには、複数人、名前に数を持つ奴がいる。例えば、九澄の苗字は「八刀神」だし、黒羽は「七夜」だ。他にもいる。
ただし、苗字に数が入っているからといって、必ずしも異能を持つわけではない。
また、苗字に数が入っていないからといって、必ずしも異能を持たないわけでもない。
異能とは、まだまだ、未知の存在。神が勝手に渡した。不条理な、理不尽、いらない贈り物。そのことには意味があるのだろうか。それとも、気まぐれ、歯車が狂っただけ。その理由は、未だ、分からない。




