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狂った世界で  作者: 桃姫
七夜編
20/82

20話:δ

Sceneδ

 【七夜】と【七天】。

 これは、二つの【原初】が紡ぐ神話(ミソロジー)

 七つの夜の全ては、ここから始まった。【夜鬼】と【天使】が奏でる【前奏曲(プロローグ)】。


 古の世界。まだ、世界が統轄される前。七つの家が世界で猛威を振るっていた頃。ある辺境に【夜鬼】が居た。

 七つの夜を経て生まれたから【七夜】と名づけられた。生まれながらにして、金の瞳を持った夜鬼だった。【夜鬼眼】、その名は、それが由来となっている。

 それと同じ頃に、辺鄙な地を見に【七天】の称号を得た【天使】がやってきた。

 【七夜】と【七天】は、一目見たときに互いに惚れ、愛し合いました。

 しかし、悲劇は起こる。【七夜】は、我を忘れた。

 力の奔流に世界は歪む。

 【七天】は、【七夜】を止めるために叫ぶ。

「もうやめてっ!!」

 奔流は、収まらない。何人もの重傷者が出た。力の奔流に呑まれれば、助からない。次々に人を飲み込む奔流。【七夜】は、もう、【七夜】ではない。

「止まって、止まってよ。お願い。お願いだから止まってぇええ!」

 【七天】の叫びに答えるかのように、彼女の「眼」は醒める。

「えっ。これは……」

「嬢ちゃん。儂等を喰らいなさいな。もう余命のない爺婆どもだが、嬢ちゃんの『眼』の生贄くらいにはなるだろうさね」

 【七天】には、意味が分からなかった。

「さあ、早く、時間がない」

 皆、一様に、力の奔流の中で、彼女の前に立つ。

 そして、「眼」は開く。

「じゃあな。あの子を止めてくれよ、嬢ちゃん」

 そして、消えた。

「これは、……。【――】。そう【――】。この『眼』で、止めないと。皆のためにも」

 そして、「眼」を見開いた。

 奔流は消えた。

 ただ、残された少年と少女は、【夜鬼】と【天使】は、【七夜】と【七天】は、一度目の夜を終えた。

 そして、幸せに、本当に幸せに、末永く、人生を謳歌したとさ。


βは抜かします

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