表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

江角千穂の試験簿

疾風の暗殺者

作者: 山本正純

警告

今回はグロテスクな描写があります。

それが嫌な人は読まないでください。

 面接試験から三十分後江角千穂の携帯にメールが届く。内容は二次審査の結果。

『二次審査通過おめでとうございます。それでは最終試験を始めましょう。最終試験は実技試験です。それではラグエルに最終試験の会場に案内するよう伝えてください。幸運を祈ります』


 彼女は隣にいるラグエルにこのことを伝える。

「おめでとうございます。では行きましょうか」


 コメントはこれだけかと千穂は思った。愛澤は施設の三階に案内する。

「ここが最終試験の会場です」


 そこは何もない倉庫のような部屋だった。彼女が周りを見渡すと天井の四方を囲むように防犯カメラが仕掛けてある。その時アナウンスが流れた。

「最終試験のルールを説明します。制限時間五分以内にターゲットの人物を暗殺するだけです。武器は自由とします。尚今回は我々の組織が開発した暗殺シュミレーションシステムを使用します。ターゲットは要人A。周りにはSPが数人いる状況です」


 江角は考え込む。ここまで本格的なシュミレーションは初めてだからだ。彼女は慎重に武器を選択する。

(暗殺に適した武器といえば、ライフルか爆弾。だが私の射撃能力はゼロ。爆弾もこのシュチュエーションなら無意味。なぜならどこにも爆弾を仕掛ける場所がない。どうする)

江角はあることを思い出す。それを利用して衝撃の暗殺方法を思いついた。

「一つだけ質問させてください。邪魔なSPも暗殺対象にしていいですか」


 呼びかけに愛澤は答える。

「いいでしょう」


 その答えを聞き江角はニヤリと笑う。

「ではこれから言う物を準備してください」

 

 五分後江角の言った物が準備された。

 机の上には長剣と覆面。そしてフードの着いた服がある。江角は服を着ながら呟く。

「デザインはダサいけど、ないよりはましかな」


 彼女は覆面を付けて剣を手にする。

「最終試験スタート」

 彼女の一言を合図にタイマーは作動した。江角は鞘から剣を取り出す。

(まずは一人目)


 彼女は風のように現れ一人のSPを惨殺する。そのSPが倒れたのが合図となったように次々とSPは倒れて行く。一面は血の海のようだった。SPが要人Aを逃がそうとした。しかし彼は仲間たちと同じように暗殺者によって惨殺される。

(これで邪魔なSPはいなくなった)

 江角は最後に残った要人Aを血で汚れた剣を使い襲う。彼女の剣は要人の首を切った。

(試験終了)


 タイマーはたったの十秒。ここまでする必要があったのだろうかと彼女は思う。その時拍手をしながら愛澤が出て来た。

「すばらしい暗殺劇でした。覆面とフードで顔を隠し電光石火の如く邪魔な動く壁を壊し要人を暗殺する。無言になることで正体が露見するリスクをカバーする。お見事です。タイムも歴代新記録ですよ。レミエルに気に入られるかもしれませんよ」

 

 江角は質問する。

「この暗殺劇に意味はあったのですか。これは暗殺部隊の仕事でしょう。偵察部隊の仕事ではありません」

「それは誤解です。ケースバイケースですが潜入捜査をして仲間の降りをする我々偵察部隊のほうが暗殺をしやすいこともあるのですよ」


 愛澤は最後に一つだけ常務連絡をする。

「合格通知は後日。あなたとの仕事ができることを楽しみにしていますよ」


 こうして江角千穂の就職試験は終わった。組織は彼女を東京駅まで送迎する。東京駅まで着くと彼女は会釈をした。

「後は合格通知を待つだけ」



レミエル予告編

「あんなもので我々の幻想は壊せねえよ。」

混沌とした世界の中でシリーズ 十月一日連載再開

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして(・∀・)♪ 読ませていただきました* とても面白かったです\(^O^)/ これからも頑張ってください(*^-^*)
2012/09/17 10:12 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ