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Get the Dream   作者: nora
24/39

第二十四話 無一文の悲しみ

あれよあれよと3日が過ぎ、テスト当日。


カリカリカリカリカリカリ


俺はひたすらテストの問題を解いていた。


すごい!スラスラ解ける!

あ、これは咲が昨日教えてくれたやつだ。

確かこの公式を使って・・・。


もちろん、わからない問題もあるが、いつもより解けている。

数学、国語、世界史、化学と終わり、残すは英語のみ。

咲曰く、


「英語は時間がないから単語と熟語をひたすら覚えるのがいい」


らしい。

というのも、北泉高校では単熟語の知識が必要な問題がかなりウェイトを占めているかららしい。


俺は3日間ひたすら単熟語をやったが、本当にそれだけでできるものなのだろうか?

何はともあれ、やるだけやってみるだけだ。


最後のテストが始まり、問題用紙を見る。

大問1は単語。

自分の覚えた単語を順調に書いていく。

大問2は並び替え。

どうやって解くのかよくわからなかったが、よく見てみると知っている熟語が・・・!

それを元に英文を作っていく。

が、文法上合っているのかかなり怪しい文になってしまった。

大問3、4は長文。

・・・ムリやー。

まず、文が読めねえよ。


そんなこんなでテストは無事終了。

なんかいつもよりかなりできた気がする。

たった3日でこんなにできるもんなのか。


「真二、テストはどうだったよ」

「フッ、バッチリだぜ!!」

「本当か?お前いつも赤点じゃねえか」

「悠樹、今回の俺は少し違うぞ。咲に勉強を教えてもらったからな」

「なっ!?お前それ反則だろ!!」


実は高校入試のときにも咲に手伝ってもらったのだ。


「へへー。これで完璧だzぐはっ」


悠樹にVサインをしようとした瞬間、後頭部に衝撃を受けた。

地味に痛い。


「3日勉強してだけで調子に乗らないの」


頭を押さえながら振り返ると腕を組んで右手に教科書持っている咲がいた。


「いま角でぶったろ?」

「うん、真二が調子に乗らないようにしなきゃなぁって思って」

「あの、気持ちは有り難いんだけど、角はやめて。地味に痛いから」

「え、あ、ごめん」


そこで直ぐに謝るあたり、咲らしいよな。

たまに攻撃してくるのが謎だが。

そういえば1学期もなんか踵落としされたなぁ。

しかも寝てるところに。


・・・やっぱり謎だ。


「んじゃあ、テストも終わったことだし、どっか遊びに行こうぜ」

「ん、いいね。どこいこうか」


修行も必要だがテストの終わった日くらい息を抜いたっていいだろ


「駅前のゲーセンでよくね?」

「よっしゃ今日は負けないぜ!」

「フ、俺に勝とうなんて100年早いぜ」

「2人ともあんまりお金使いすぎないでよ。私お金貸さないからね」

「分かってるって。さっさと行こうぜ」


そんなわけで俺たちはゲーセンへと向かった。

駅前にあるこのゲーセンにはありとあらゆるゲームが取りそろえられている。

メジャーなアクションゲームからよく分からん音ゲーまで完璧だ。


「よし!真二、まずはやっぱあれだろ」

「ああ、まずはあれだな」


俺たちはとある音ゲーの前に立った。

縦横に4つずつ正方形のパネルがあり、曲に合わせて光るパネルをタッチしていくというものだ。


「「READY GO!!」」


ゲームのスタートの合図と同時に音楽が流れ始める。

お互い、冷静に一つ一つのパネルを処理していく。

そしてついにサビ

サビは今までの非じゃない難しさだ。


俺はいつもここで悠樹に差をつけられてしまう。

今日こそはあいつに勝ってみせる!!


アップテンポのサビが流れ始めると、いくつものパネルが同時に光り出す。


「うおぉぉぉぉぉぉぉ」


複雑に両手を動かし、的確に処理。

処理 処理 処理 処理 処理 処理! 処理!!! 処理!!!!!






「ふぅ・・・。悠樹、お前少し鈍ったんじゃないか?」

「くそっ まさか真二にあそこで後れをとるとは・・・。ああ!!もう一回だ真二」

「なんでも受けて立つぜ!」






ふと気付くと、咲が見あたらなかった。


「あれ?咲どこいったんだろ?」

「ん?さっき向こうの方に歩いていったぞ」

「そろそろ俺らも次のゲーム行くか」

「そうだな」


クレーンゲームのコーナーに行くと咲が白い猫のぬいぐるみを取ろうと頑張っていた。

が、どうやら苦戦しているらしい。


「お、頑張ってんな」

「あ、真二。ねえ、これ取れる?」

「うーん。これは難易度高えぞ。どうしても欲しいのか?」

「どうしてもって訳でもないけど・・・欲しい・・・」


顔を少し赤くして言う咲はめちゃくちゃ可愛かった。


「よし、俺が取ってやる」

「ホント!?よろしくね、真二!!」

「あの、俺はお邪魔みたいなんで帰らせていたd・・・」

「「変な気を使わんでいい!!」」


俺と咲が同時に悠樹に突っ込む。


「だってよ~。お前らどっからどうみても仲良いカップルだもん」

「うっ・・・・。そんなことはいいからさっさとこれ取るぞ!!」

「そ、そうだよ悠樹君。それとこれはまた別の話だってっ」


俺たちのゲーセンでの楽しい時間はあっという間に流れていった。

気付けば日も暮れて酔っぱらいのおっさんたちがちらほらと見えるような時間帯だ。


「おっと、もうこんな時間か。そろそろ帰ろうぜ」

「ああ、そうだな」


俺と悠樹は自分の財布を見て「はあ・・・」とため息をついた。

そこには10円玉と1円玉が数枚あるだけだった。


「これで今月はなんも買えねえな・・・」

「ああ、ホントだな・・・」

「全く、だからあんまり使いすぎないようにって言ったのに」


意気消沈している俺たちを見て咲が呆れ顔で言ってくる。

しょうがないではないか。

悠樹との勝負がなかなかつかないんだから・・・。


そうこうしているうちに悠樹と別れて、俺と咲は自分の家へ戻った。

が、俺はすぐに動きやすい格好に着替え、外に出る。


まずはランニングだ。

最近体力作りしてなかったからな。

たまにはやらないと。


俺は夜道を早いペースで走る。

まだ残暑が厳しいとはいえ9月だ。

夜風が夏より涼しい。

そのせいか気持ちよく走れた。

俺はさらにペースを上げ、20分くらい走って公園で休憩することにした。

自販機でスポーツドリンクを買おうと思って財布を開くがそこに100円玉は存在しなかった。


「・・・・はあ」


しょうがないので公園の水道の水をがぶ飲みした。


「ふう。しかし、こうも静かな公園っていうのも少し不気味だよな・・・」


ベンチに腰を下ろし、夜風にあたる。

火照った身体がだんだん冷えていく。

汗で冷え切ってしまわないうちに帰ろうと思って立ち上がったその時、邪気を感じた。

邪気を感じる方を向くと目の前にキマイラとヒュドラの2体が目の前に立っていた。


「おい・・・嘘だろ・・・・・!!!」



お待たせいたしました。

更新遅くなってすみません。


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