第一話 痛すぎる朝
ジリリリリリ
目覚ましがなっている。現在時刻は6時。
俺は普段は早起きなのだ。そう、普段は・・・・
昨日の就寝時刻は夜中の三時だ。
にもかかわらず、目覚まし時計は容赦なく俺の耳を襲う。
目覚まし時計と眠気が俺の頭の中で激しい戦闘を繰り広げている。
2分間の戦いの果てに、眠気が勝利し、目覚まし時計は強制退場をさせられた。
・・・・俺の手によって。
■□■□■
私は、家の前の電柱である人物を待っていた。
「真二、おそいな・・・」
真二はいつも私より早く外で待っているくらい。
私よりも遅いことなんて無いはずなのに・・・
しょうがない。様子見にいって来よっかな。
私は徒歩1秒の幼馴染の家のピンポンを押した。
中からはお母さんが出てきた。
「あら、咲ちゃん。おはよう」
「おはようございます。真二、学校行きました?」
「真二、まだ起きてないのよ。悪いけど起こしてきてくれる?」
「あ、はい」
私は家に上がって真二の部屋に向かった。
■□■□■
気付いたら俺はよく分からないピンク色の空間にいた。
「あれ?ここはどこだ?」
キョロキョロと周りを見回していると前から水着姿のお姉さんが走ってきた。
え?あっちからも?こっちからも?
四方八方から水着のお姉さんが走ってきた。
・・・・・どういうことだ?俺はこれは夢か?・・・・・いやいやいや、俺はそんなに女に飢えちゃいないって。
そうこう考えているうちに、数人のお姉さんに抱きしめられている俺。
すっごく恥ずかしいっす。
きっと俺の顔はりんごのように赤く染まりきっているだろう。
数分で俺の思考回路はピンク色に染まりきってしまっていた。
「お姉さんの身体、気持ちいい~」
そう言った瞬間、俺の顔面に強い衝撃が走った。
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私が真二の部屋に入り、今まさに彼を起こそうとした瞬間、彼はある一言をつぶやいた。
「お姉さんの身体、気持ちいい~」
かああ~~~~っと私の顔が赤くなっていくのが分かる。
それと同時に私の足が振り上げられる。
たるみきった彼の顔をロックオンする。
「何言ってんのよ、この変態!!」
私の叫びと共に振り上げられた足が勢いよく振り下ろされる。
「ぐえっ」
真二が呻き声をあげている。
次の瞬間、真二のお母さんが部屋に飛び込み、私と真二の間に入って
「咲ちゃん大丈夫!?
真二!!咲ちゃんに何したの!」
「なんもしてねえよ。俺は被害者だ」
「何言ってんの!咲ちゃん顔真っ赤じゃない。あとでゆっくり話を聞かせてもらうわよ」
そう言って私を連れて部屋から出て行く。
真二は一言
「俺って親から信用されてないのか?」