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禁足地の使い方

作者: 小雨川蛙
掲載日:2026/08/02

 

 深い森があった。

 禁足地とされる恐ろしい場所だ。

 その土地は古くから数えきれないほどの人間が姿を消す呪われた土地だと聞いた。

 聞けば人語を話す化け物がおり、迷い込む人間を喰らうのだと言う。


「ふむ」


 それを聞いて私は妙案を思いつく。


「これは便利に使えそうだ」


 そう呟いて、私はその日の内に部下へ命じた――。



 *



「まさに神をも恐れぬ所業でしょう」


 部下があきれ果てて言う。


「まさか禁足地を口減らしのために使うなんて――」

「使えるものは何でも使うべきだ。お前はそう思わないのか?」

「いいえ。仰る通りです。ですが――」

「ですが? なんだ? 先を言え」

「……もし化け物とやらが報復に現れたならどうするのです?」


 私は笑って答えた。


「ありがたいな。食料をもう少し節約できそうだ」


 

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