都市伝説1「異世界へ行く方法3」
アイスを食べ終わった恋と美月はその後も写真を色々な角度から撮るも何もおかしなものは映ることがありませんでした。
しかたがないので2人は夕方に出直すことにし、軽く周りや橋の下の河川敷をぶらぶらしてホテルに1度戻ることにしました。
「やっぱり心霊現象って夕方以降なの...?」
「どうなんだろうねー。夕方以降の方が雰囲気出るから幽霊も好みなんじゃない??」
2人はホテルまでの道すがら撮った写真を見返しています。ざっと100枚程度撮っているのですがどれも普通の風景画。本来はそれだけで映えるものではあるのですが、2人には物足りないようです。
「写真自体は綺麗だし好きだけど、別に映える写真を狙ってるわけじゃないのよね。」
「いや、心霊写真も十分映えるんですけどー??」
そんな会話の数分後、2人はホテルにたどり着きます。フロントから鍵をもらいエレベーターに向かうと、1人の深緑色の長髪少女が辺りを不安そうにキョロキョロしているのが目にとまります。
「ねえ、美月。あの子さ、コスプレイヤーかな??なんかアニメでしか見た事無いような黒い露出多めなドレス着てるんだけど...。」
「私もそれ思ったー。なんか頭に角もついてないです?あの子。」
「それね。でも、何か迷子?みたいな感じだし話しかけてみよっか。」
「マジ?まあ、いいと思いますよ。」
恋が迷子の子の方に向かっていきます。
「あのー…。何か困ってますか?よければ助けになりましょうか?」
「人間…ね。」
「はい?」
(コスプレしたキャラの設定に忠実なのかな。)と恋は思いました。
「ここどこ?」
「えっと…ここはI市のホテルだけれど…。迷子ですか?」
「んー?聞いたことない場所ね。成功してるのかしら。」
ジッと二人の顔を見つめるコスプレ少女。美月は彼女に対し違和感を感じます。なんとなーく恋に似たような感覚です。ですが、この場で色々するのも周りに迷惑がかかりそうなので恋の耳元で囁きます。
「なんかいろいろよくわかってなさそうだし、部屋にあげて詳しく話し聞いてみる?それにここだと邪魔そうだし。」
「そうね。そうしよっか。じゃ、君一緒においで。ここだと他の人の迷惑になりそうだし、部屋においでよ。」
「ええ。わかったわ。」
素直に聞き従うコスプレ少女。2人はコスプレ少女を部屋に迎え入れます。
「とりあえず自己紹介しとくね。私は恋。こいともれんとも呼ばれてるからどっちでもいいわ。よろしくね。」
「私が美月ね。よろしくー。」
「レンにミツキね。あたしはラブ。魔王ユウマ・スタースカイとホワイトエルフの母カナリアから生まれた第1王女よ。」
「「なんて??」」
恋と美月は唖然としました。
「ん?あたしのお父さん知らない?」
「いや…。知らない以前に魔王なんて聞いたことないけど…。ファンタジーやメルヘンじゃないんだし...。」
「ふーん...。ということはもしかしてほんとに成功したの??」
「えっ、何がー??」
「あたし、この世界基準で言うと、異世界から来たの。エレベーターを使ってね。」
「「はい?!」」
声がまたハモります。2人は思わず顔を見合わせますが、2本の角が頭から生え、尖った耳があるのを見ればこの世界の人間ではないことは一目瞭然ではありました。もっとも、2人も私もコスプレだと思っていましたが…。
その後2人はラブちゃんからどのような方法で来たのか説明してもらいました。その方法は恋達が知ってるエレベーターを使って異世界に行く。というやり方と全く同じでした。
「マジか...。あれってほんとに異世界いけるやつなんだ...。」
「そうみたい。あたしのおじいちゃんが同じやり方で来たって言ってたし。」
「おじいちゃん凄すぎません??よくその方法試そうと思ったし。」
「なんか友達とふざけてやったら行けたって...。あっ、そうよ。あたしこの世界におばあちゃんに会いに来たの。とは言ってもあたしの直接のおばあちゃんじゃないんだけどね。えっと、確か...。サヨコ・ホシゾラだったかしら。」
「ん?それ、私のおばあちゃんのことなんだけれど...。」
「へぇ...。じゃあ、レンちゃんあたしの親戚?」
さすがおじいちゃんのお守り。と小声で呟くラブちゃん。その手はネックレスについてる指輪をギュッと握っています。あの人、異世界に行っていたんですね。
「えっ、恋ちゃん異世界に親戚とか居たんだ...。」
「いや、知らないし!おじいちゃんでしょ?おばあちゃんから結婚してすぐ行方不明になったって聞いてたけど...。異世界行ってたの?」
「そうらしいわね。うちの城に居るわよ。」
「なんか、幽霊なんてどうでもよくなったんだけれど...。」
胸に手を当て、ゆっくり深呼吸して冷静になろうとする恋。美月はもっとラブちゃんの事を知ろうと質問をします。
「ラブちゃん、何か好きなことってあるのー?」
「趣味??なんだろう...。拷問?」
「えっ…。それって言ってもいいやつ??」
「あー。そっかおじいちゃん言ってた。こっちの世界じゃ、あんまりそういうこと言っちゃダメなのよね。ならお化けとか妖怪が好きかしら。みすぼらしく藻掻きながら生きる姿、見ていて楽しいもの。」
「いや...反応に困るな...。」
戸惑う美月。その横で会話を聞いていた恋がそうだ!と閃きます。
「ラブちゃんさ。私、サヨコおばあちゃんと一緒に住んでるの。だからもちろん会わせてあげれるんだけど、私たち明日家に帰るんだよね。だからさ、今日明日今やってるの手伝ってほしいな。」
「もちろんいいわよ。何やってるの?」
「幽霊探しよ!」
今回も2話更新です。