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今日も花が咲きました。それでは、どうぞ  作者: アマテラスちゃん
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都市伝説2「四龍橋の幽霊1」

この物語はフィクションです。実際の物などは一切関係ありません。

――――――――――――――――――――――

 【四龍橋の噂】

-Y県I市にある4連のアーチ橋は日本の5大奇橋に選ばれている。特徴としては、特徴的な組木の技術により釘を1本も使わずに作成されている点だ。

 1679年に創設されて以降様々な災害に会い被害を受けているが、その度に修復されその美しくも荘厳な外観を保っている。しかし、この橋の建設又は修復中には多くの労働者が病気や事故によって亡くなり、今なお橋に取り憑き心霊現象を起こしているという...


①写真に写るモヤや影・・・橋の上で撮影するとあからさまにおかしな白いもやのようなものや不可思議な影が映り込むという噂

 

②夜にすすり泣く女・・・夜にの下の河原を歩いているとどこからともなく女性のすすり泣く声が聞こえるという。声だけしか聞いたことないという人と姿を見たという人の2パターンの噂

 

③ついてくる足音・・・夕暮れから夜にかけて、橋の上を歩いていると自分の足音に加えてワンテンポ遅れて足音が聞こえてくる。自分が止まるタイミングでは足音はしないらしいという噂


――――――――――――――――――――――


 ホテルから出て15分ほど歩いた場所に日本の5大奇橋の1つに数えられている【四龍橋】というものがあり、そこに(れん)美月(みつき)が来ています。

 

「隣の市だけど、そういえば都市伝説調査では来たことなかったわね。」

「それなー。とりあえずさ、恋ちゃんそこポーズとってよ。写真撮るからさ!」

「おっけー!」

 

 美月は首からぶら下げている一眼レフで橋の前でポーズを取ってる恋の写真を撮ります。

 

「どうどう?見せてよ!」

 

 恋が駆け寄って撮られた写真を覗き込みます。

 

「...。普通ね。」

「今は普通の写真を撮ったつもりなんだけどね。」

「そういえば、そのカメラで撮ったらなんか映るんだっけ??」

「科学部が提供してくれた特殊な子だからねぇ。見えないモヤとか影も映せるっぽいよー。撮れたら創立祭と動画のネタ待ったなしですねぇ。」

 

 美月が近くにいる恋やら風景やらをパシャパシャ適当に撮影していきます。恋や美月の通ってるY高校には4月15日に創立祭というものがあります。これは文化祭と似たような雰囲気があり各部活が出し物をして学校の創立を祝い地元の住民とも交流を行う地域参加型のお祭り行事です。


 そして、この創立祭がいわゆる新入生の部活紹介も兼ねているため各部活は秋にある文化祭よりもこちら側に力を入れています。

 

「でも、今年創立祭あるか怪しいよね。生徒会と文化部バチバチでしょ...。」

 

 美月が眉をひそめながら撮った写真を見返しています。特にモヤなどの現象も映らず溜息が漏れます。

 

「まあまあ、大丈夫でしょ。とりあえずさ、橋渡るチケット買ってくるからさ、学校での発表は一旦置いておいて、写真撮ることに集中しない?私たち、Yourtubeのチャンネルにも動画出さなきゃだし。」

「そうねー。とりま渡りますか!」

 

 気を取直した2人はチケットを購入し、橋を反対側まで写真を撮りながら渡りました。しかし、モヤや不審な影などは一切映りませんでした。

 

 2人はしょんぼりしながら渡った先にある日本一種類が多いアイスクリーム屋さんでアイスを買ってベンチに座りながら食べています。

 

「ねえ、美月のその空の微笑み味っておいしいの?」

「あら?一口食べてみます?結構美味しいよー。」

 

 恋は美月の食べてる空の微笑み味のアイスクリームを口に含みます。そして、渋い顔をしながら

 

「私にはあんまり美味さわからないわ。」

 

 と言います。

 

「逆に恋ちゃんはストロベリーって無難すぎない?せっかく200種類くらいあるんだし、冒険してもいいんじゃない?」

「怖いのよね〜。だからどんなお店に行っても結局アイスはストロベリーよ。」

「ふーん。まあそれもありねー。」

 

 ペロッとアイスを食べ終わった美月はスマホを取り出しオカルト部の開設しているYourtubeのチャンネルを開きます。

 

「どうでもいいけどさー恋ちゃん。アンチとアドバイスの差って結構難しくない?」

「えっ、また嫌なコメント来てる??」

「まあねー。私たちってこういう都市伝説とかミーム扱ってるから批判してくる人は多いけどさ、それがただただ嫌いだから言ってくるのか、伸び代があるから言ってくるのか...。見分けるの難しいとこあるよねー。」

「うーん...。そうね。あからさまに攻撃的なコメントは消すなりした方が他の視聴者さんも不快な気持ちにならなくていいと思うけど、それ以外は残すのでいいんじゃないかしら?ま、アンチなんて何やってても湧き出るわけだし無視でいいわよ。無視無視。」

「それはそうなんだけどね...。」

 

 通知からコメントを見ては整理する美月。恋達は同じ学校のパソコン部に作成を依頼した3Dモデルのキャラクターを使用したいわゆるバーチャルYourtuberという方法で活動をしています。3Dのモーションキャプチャーや資材も全部パソコン部が協力してくれています。が、この活動については後々触れることになると思うので今はあまり説明しません。

 

「やっぱり夕方以降が狙い目かしらね。調べてみても夕方〜とか夜中〜とかが多いのよね〜。」

 

 スマホを見ながら恋が呟きます。

 

「そりゃそうよねー。こんな昼間から出る心霊現象なんてよっぽどの暇人ですよー。あっ、美花(みか)ちゃんダンス動画ToktoKにあげてる!」

「ほんと?!見せてよ!うわぁ…。やっぱ美花ちゃんダンスって独特の雰囲気あるよね…。」

「わかる。ストリート系のダンスのはずなんですけどねぇー。」

 

 腕を組みうーんと唸る美月と恋。その間もスマホの中ではピンクの髪を揺らめかせながら踊る美花の動画が再生され続けるのでした。

 

 

  

 

2話ずつ追いつくまで更新します。

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