今日も花が咲きました。2
自転車を回収したのち再びラブと合流する。ゆっくりラブと歩いて帰る中ラブが1つ質問をしてきた。
「そういえば、ミカは何で右手首に包帯を巻いてるの??怪我してるの?」
「ああ…。俺も1度美花に聞いたことがあるんだが泣きそうな顔したからそれ以上聞くのはやめたんだ。」
「そうなのね。半分にかけたピンクのハートの周りに黒い闇があるのは見えてたけど、やっぱり何かあるのね。」
黒い闇??ハート??何のことだ?と聞くと。ラブはまた後で話すわね。といって話を切り上げた。
美花の包帯の件はもっと詳しく言うと、中3からだったと思う。その時ことは俺自身の事もあまり思い出したくもないが、確か美花はそれまで皆勤賞を取るくらい学校を休んだことがないやつだった。けど、ある時突然1週間くらい休んで登校を再開した時には包帯を右手首に巻いていた。と思う。
最初は怪我してその治療のためかと思っていたが、それからもずっと付けている。だが美花にとっていいものではないのは美花の反応からして間違いない。
それからまたなんてことない普通の趣味なんかの会話をしているとある一軒の家の前についた。
ラブがここが今のあたしの家。と紹介してくれた場所は俺が近道をする際に素通りしていた日本家屋だった。
木造建築で歴史を感じるような古さと日本家屋ならではの美しさを兼ね備えている。
そういえば、ここには昔から1人の女性が住んでたな...。それをふと思い出した。もしかしてあれが恋の親。いや、恋はおばあちゃんっ子という設定のはず。ならあの若々しい女性がおばあちゃんなのか...??ん??そういえば、どこかでその女性も会ったことがあるかも...。
ラブと恋の家を眺めているとラブが
「あのね。もしかしたらおばあちゃん機嫌悪いかもだけどタカマサに対してじゃないから安心して。あとちょっとここで待ってて。おばあちゃんに2人あたしの部屋に泊めるっていうの話してくる。」
「機嫌悪いのか?そんな時に俺や美花を呼んでよかったのか?」
「ええ。大丈夫。おじいちゃんに対して機嫌が悪いだけだもの。じゃ、話つけてくるわ。」
といいラブはただいま...。と言って家に入っていく。おじいちゃん??確か恋のおじいちゃんは、母方はイギリスに住んでいて、父方はおばあちゃんが結婚してすぐ行方不明になったはずだが...。イギリスの方のおじいちゃんと何かあったのか?
そして、恋の父親は恋が5歳の時に仕事に行く際に事故に遭い亡くなっている。そのため母が働いて祖母が面倒を見ていた。そのため恋はおばあちゃん大好きっ子になった。……はず。最近この基本設定辺りの記憶が抜けてきてるな...。
10分くらい経っただろうか?ラブの家の日本庭園を眺めているとラブがいたいた。と俺に近づいてきて、
「いいって。でも、1つしか部屋用意できなかったからタカマサあたしのベッド使っていいわよ。あたしが美花とそこで寝るわ。」
「…ラブはそれでいいのか?今日会ったばかりの男を自分のベッドに寝かせるとか…。その、恥ずかしかったりしないのか?」
「じゃあ、ミカと一緒の部屋で寝るの?それでもいいわよ。ミカは嬉しいと思うし。」
「うっ...。なぜそういう選択肢...。なんか他に場所はないのか?リビングのソファーとか。」
うーん...。と少し考えるラブ。
「ないと思う。諦めて。」
「まじか...。」
しょうがない。諦めて今日はラブのベッドを借りることにしよう。そういえば、俺も着替え持ってなかったな。
ラブにその旨を伝えて一度家に帰り、家族に今日は友達の家に泊まることを伝える。すると、
「年越しに友達の家に泊まりくらい回復しただなんて、お父さんは感激だ。」
と父親に泣かれてしまった。そんなに感激することだったかな?
荷物を整え、ラブの家に戻る途中で道端にしゃがみ込んでにゃーんにゃーんと言いながら猫とじゃれてる美花を見つけた。
「美花、何してるんだ?こんな所で。」
「高雅くんじゃん!あのね、この子が可愛いから遊んでたのっ!」
「ああ...。それは見たらわかるけど...。」
美花がにゃーにゃー言いながら猫の腰をぽんぽん叩く。猫とじゃれあってる美花は猫に優しく微笑み本当に幸せそうだった。
「美花、行こうラブが待ってる。」
「……あっ!そうだったねっ。ちょっと遅くなっちゃったかな?早く行こっ!」
美花が猫にじゃあね。と言い、優しく頭を撫で、立ち上がり走り始める。
美花からしたら軽く走ってるつもりなのかもしれないが、俺は全然美花に追いつけず随分と距離が開いてしまった。
俺が息を切らしてラブの家に着くと美花が腰に手を当て、遅かったね。と笑いながら煽ってきた。
「昔の君ならこんなことはなかったんじゃないかな?」
「はぁ…はぁ…。昔のことは知らん。」
「そう?わたしは今も昔も高雅くんを見てきてたから知ってるよ。」
美花が優しく背中をさすってくる。美花の気さくさがいつも俺を助けてくれてたな。と思った。
玄関に行くとラブが植木に水をやっていた。遅かったわね。静かに入って。と俺達を家に入るよう促す。
こっちよといって案内されたリビングはかなり大きくこの部屋だけで1人暮らしするのであれば十分だろうなというサイズだった。
座椅子に座るよう促され座っているとラブが台所の方から、
「ココアでもいい?コーヒーもあるけど。」
「俺はコーヒーでいいかな?」
「わたしはココアでいいよ!」
「わかったわ。準備するから待っててね。」
「はーい!」
ラブが準備してる間、美花はスマホを何やら難しい顔して触っていた。なに見てるんだ?と好奇心から訊ねると、
「んー…。いいバイト探してるの。お金欲しいし。」
と答えた。美花のスマホは、3世代前のちょっと古い型。まだまだ使えるから!といって機種変をしてない。
美花の、んーという小さな呟きを聞きながら俺もスマホでも触ろうかなと思っていると、俺たちが入って来たドアからジャージを着た恋が現れた。
「ラブちゃん、何か飲み物あ……びっくりした。何で高雅と美花ちゃんがいるのよ?」
恋は驚くも冷静に俺と美花を睨みつける。
「恋ちゃん、ハロー!元気ー?」
「元気だけれど...。なんでいるのよ。」
「ラブちゃんが招待してくれたんだよっ。」
「そうそう。レンは関係ないでしょ。はい。コーヒーとココア。レンも座って。牛乳持ってくるわ。」
俺には聞こえた。ラブの舌打ちが。ラブは恋が恥ずかしがる姿が見たかったのだ。しかし、恋は冷静だった。
「あったかーい!ありがとうっ!ラブちゃん。いただきます。」
と言うと美花はフーッフーッと息を吹き少しずつ飲んでいく。美味しい〜!と幸せそうに呟く。
俺もコーヒーを飲むと思ったよりも甘かった。ラブは甘党なのかもしれない。
俺達が不意に来て恋は不機嫌になるかと思ったが、逆にテンションが上がっており、美花と楽しく最新のコスメの話なんかをしていた。むしろ、元からこの2人は仲が良かったので、俺だけが来るよりは険悪な空気にならず良かったのかもしれない。
そういえば、と前置きしつつ恋が俺と美花に
「2人は泊まるのかしら?なんかそれっぽい荷物持ってきてるけど?」
と尋ねてきた。
「うん。そのつもりだよっ!」
「ふーん。そっか。美花ちゃん、私と一緒に寝る?私のベッド大きいし2人くらいなら平気よ。」
「そうなの?ならお邪魔しちゃおっかな♪」
やったーと声を上げる美花。そうか確か美花の推しは恋と望愛だったような気がする。
「じゃあ、俺がラブが用意してくれた部屋で寝るよ。」
「高雅はラブちゃんと寝たら?ラブちゃんのこと随分気にいってるみたいだし!」
恋が少し怒ったように大げさに言ってくる。
「いや、別にそんな事は…。」
「そうしましょっか。あたしは別にいいわよ。ってか来て。話したいこと、いっぱいあるもの。」
「えっ、本気で言ってるのか?ラブ。」
「ええ。ほんとよ。」
「ほら!もういいわ。美花ちゃん今日は2人で楽しみましょ!」
「…。うん!」
美花の言葉の間が気になったがラブに誘われたのでラブの部屋に泊まることにした。
ラブの部屋と恋の部屋、更にお客さんようにラブが準備した部屋は全部隣同士だった。だが、そもそも家がかなり広く迷ってしまいそうだ。
女子3人が前を話しながら歩いている後ろで俺は今後のことを考えていた。明日から部長になる。今後の部活の方針もだが、これから起きるはずの事件についても考えていた。
確か、次はパイクジラ??結構前の話だから忘れてしまった。そして、俺達4人が歩いていると前から髪の長い綺麗な女性が歩いてきた。
「おばあちゃん!どうしたの?」
恋が前から来たおばあちゃんに声をかける。その女性はやはり1度あったことがある人物だった。




