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97話 ゆうじょうのリング


 ああ、なるほどそういう側面もあるのか。つまりこの場所はモンスターと冒険隊を繋ぐ役割と、同時に悪いモンスターが仲間をこれ以上持たないように制限するという意味合いもあるってことだ。便利なシステムだな。


「……それで、その。俺たち仲間を勧誘したいんだが」

「悪いモンスターじゃない証明ができるかい?」

「……ええと、それはどうすれば」

「冗談だよ! トルーネが連れてくる冒険隊ならみんな良いモンスターに決まってるのよ」


 そう言うとブリーズは豪快に笑って手元の端末を操作し始めた。どうやらその端末で操作すれば仲間モンスターの勧誘ができるようになるらしい。


「ほい、完了だよ。これであんたたちも勧誘ができるようになったわ。それじゃここで勧誘の方法を説明するね。敵モンスターと接触した状態で倒した場合に一定確率で勧誘が成立する。モンスターによって勧誘確率は異なる。目当てのモンスターがいる時は何度も挑戦してみよう」


 敵モンスターと接触した状態で倒した場合に一定確率で勧誘成立か。つまり距離が離れた状態で例えば飛び道具なんかで倒した時は絶対に仲間にならないってことだな。……一定確率がどのくらいか気になるな。まあでも多分かなり低く設定されてるだろうな。それほど頻繁に成立したらすぐにチームが満員になるからね。


「……説明は以上。もう一度説明しようか?」

「大丈夫、よく分かった」

「よし、それじゃあトルーネ。アイテムを渡してやりな」


『ヒナタはゆうじょうのリングを手に入れた』


 ゆうじょうのリング? もしかして勧誘成立確率を上げてくれるのか?


「今渡したアイテムはゆうじょうのリング、装備品だよ。それを装備している時勧誘が成立する確率が倍になるすごいアイテムなのさ。カバンに入っているだけだと効果が無いから必ず装備を忘れないでね」


 装備品か。……前にも何か装備品があったような。なんだっけ? ……ああ、あれだ。指輪だ。一番最初にヒショからもらってすぐにダンジョンで力尽きて速攻でアイテムロストしたやつだ。あまりにはやすぎて名前すら分からずじまいだったけど、確かあの時ヒショは装備品って言ってたはずだよ。

……っていうか装備品って装備しないと効果ないの? それ割と大事な情報だよ? ……ヒショに情報を聞くのは控えようかな。大事な情報を聞かずに終わりそうだし。


 トルーネの説明に感謝するとともにヒショへの文句をヒナタは感じていた。なおヒショは装備品は装備して効果があるものであると説明しており、そのことを理解せずにすっかり忘れてしまっているヒナタの完全な逆恨みなのだがそれにはちっとも気がついていないのである。


tips:

会話はログに記録される。重要な話を聞き逃さないようログを確認してみるのも手だ。

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