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96話 モンスター広場


「勧誘なんてできるのか⁈」

「もちろんだよ」

「今までそんなことなかったよ⁉︎」

「それは勧誘しない設定にしていたからだろう。手続きをしない限り勧誘しない設定になっているはずだからね。案内しよう」


 そう言うとトルーネはどこかへ歩き始めた。首を傾げながらヒナタたちがついていくとトルーネはギルドを出てどんどんと歩き始めたのだ。いったいどこへ行くつもりなのだろうか。そんな疑問が浮かび始めたその時、ようやくトルーネは歩みを止めたのである。この場所は迷いの森の入り口にほど近い場所である。何かの施設があるように見えるがこの場所にいったい何があるのだろうか。


「……ここは?」

「ここはモンスターを仲間にするための場所。モンスター広場さ」

「モンスター広場?」


 聞き慣れない単語に思わずヒナタは首を傾げた。するとその声を聞きつけたのだろうか扉の奥からトルーネにそっくりなモンスターが現れたのである。


「なんだい騒がしいね」

「ええと、……あなたは?」

「紹介しよう。モンスター広場のオーナーであり私の母だ」


 なるほどオーナーか。まあ中から出てきたしそうだろうなとは思ったけど。……ん? 今母って言ったか?


「あんたたちがトルーネが言っていた子たちかい? 私はブリーズ。トルーネから噂はよく聞いてるよ。期待の若手冒険隊がいるってね。さ、中へ入りな」


 促されるままヒナタたちは建物の中に入った。それほど大きな建物でも無いらしく建物内には小さな部屋がひとつあるだけであった。部屋の中はシンプルそのもので机と椅子がひとつずつ、そして真ん中に転移ポータルが置かれていた。


「転移ポータル?」

「これが無いとモンスター広場はできないからね」

「……?」

「説明するよ。モンスター広場は仲間にしたモンスターたちが集まる場所なんだ。モンスターたちが生活する空間は様々。暑い場所が好きなモンスターもいれば寒い場所が好きなモンスターもいる。そうしたモンスターたちを繋ぐためにこの転移ポータルはあるのさ」


 ……なるほどそういうことか。この転移ポータルから色々な環境に転移できるってことだな。言ってしまえばこの転移ポータルは仲間になったモンスターたちの住処と冒険隊を繋ぐ橋渡し的な役割を果たしているという訳だ。


「逆に言えばここを利用しなければモンスターの住処と繋がりは持てないということ。まさか無尽蔵に連れる訳にもいかないしね。だから悪いけどここを利用するまではどんなことがあっても仲間が増えることのないようにしてあるのさ。……ここだけの話、この仕組みがあることで悪いモンスターが徒党を組むことが格段に減ったのよ」


tips:

モンスター広場

仲間にしたモンスターたちの集まる場所。モンスターのために色々な環境に整備されている。

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