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94話 トップからの呼び出し


 意を決してヒナタはトップのいる部屋の扉を開けた。中ではトップがいつものように確かな風格と鋭い威圧感を放ちながら奥で座っていた。初めてこのギルドに来て以降ヒナタもアクアもこの部屋には来ていない。少し緊張はしていたが不思議と嫌な感じはしなかった。


「……ふむ、来たか」

「ええと、何を話せば?」

「君たちの思うままのガタガタ林道を聞かせてくれ。どうやら私とは少し違っているようだからね」


 やはり怒られるという訳ではないようだ。ヒナタはほっと胸を撫で下ろしアクアがトップへ向け説明を始めた。その説明を聞きながら頭を整理しているかのようにトップは静かに目をつぶって頷いていた。


「……なるほど、それで君たちはその断崖の空洞へと辿りついたと」

「トップはその場所をご存知で?」

「存在していることは知っている。まさかそんな場所にあるとは知らなかったがね。……恐らく攻略には時間がかかるだろう。何しろあそこはかなり長いダンジョンという噂だ」

「長い……」

「君たちからすれば見つかった断崖の空洞の攻略をしたいだろう。だが、君たちも知っての通り今このギルドでは果てなき森の攻略に向けた準備をしている。できることならばそちらに力を注ぎたいというのが私の判断だ。……そこで、君たちにひとつ提案がある」

「提案……ですか?」

「どうだろう。ひとまず果てなき森の攻略へ力を注いでもらえないだろうか?」


 見つかったダンジョンはあまり知られていないダンジョンではあるが、現状ギルドとしては果てなき森の攻略に乗り出している以上そちらに集中してもらえないか。トップが言っていることはつまりこういうことである。

 もちろんこのトップの判断が妥当であることは理解できる。それに時間がかかるだろうとの判断も賛同できる。ヒナタたちは結局ひとつも階層を進めることなく脱出したのだ。難易度が高いことは百も承知である。


「……分かった」

「ありがとう、そう言ってもらえるとこちらも助かる。……幸いガタガタ林道の下道は現在封鎖中だ。よって断崖の空洞の攻略はもとより入り口にさえ到達できない。よほどのことが無い限り先に攻略されることは無いだろう」


 これはもしかすると気を遣われたのか? 確かに断崖の空洞を攻略したいっていう気持ちはあるけど、そもそも果てなき森へ行くために攻略してたんだからなぁ。入り口に到達した時も可能性は低そうだが果てなき森に続いてるかもしれないってことで攻略を開始したくらいだしな。


「……ああ、そうだ。そろそろ皆の準備が整いつつあるようだ。ギルドとして果てなき森の攻略を始める日も近い。君たちはまだ入り口に到達していないのだろう?」

「……まあ、まだだな」

「ならば攻略を急ぐと良い。ガタガタ林道の最上階層である10階層が果てなき森の入り口へと繋がっている。大丈夫、君たちならきっとすぐに到達できる」


tips:

時々ギルドの仲間からダンジョンの情報が手に入る時がある。攻略に役立つ情報が手に入ることもあるため積極的に交流してみよう。

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