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84話 ワープスイッチ


 うん、爽快。そもそも囲まれることって階層を移動する時とか罠踏んだ時とかで正直いってあんまり無いし、階段が見つかってからSPを回復したって遅くない。それに飛び道具なんていつ拾えるか分からないしな。

 ……って言ってたら落ちてるんだよな。石ころかな?


『ヒナタは石ころ(4)を拾った』


 うん、石ころだ。4個はありがたいな。……さっきは石ころ投げた方が正解だった気がしてきたな。結果論でしかないけど。……気を取り直して階段を探そう。……お! これはありがたいね。


 フロアに入ったヒナタは辺りを見渡して満足そうに頷いていた。フロア内にはアイテムが2つ落ちている。1つはスイートメープルで1つはスキルの巻き物である。消費SPが大きいポイズンアローを使ったためにスイートメープルはいくらあってもありがたい。そしてスキルの巻き物は例え使えなくともそれなりのお金で売れるため実質的にお金を拾っているとも言える。

どちらもヒナタたちにとってありがたいものである。飛びつくかのような速度でヒナタは一歩前に進んだ。そして罠を踏んだのである。発動したのはワープスイッチ。有用なアイテム2つを目の前にしてヒナタは別のフロアに移動させられたのだ。


『ワープスイッチ発動 ヒナタはワープしてしまった』


 ……ここどこ? ええとダンジョン内のマップだと……さっきのフロアから左に進んだフロアかな。まだ近くて良かったよ。ここからなら合流もしやすい。それにラッキーなことにこのフロアに階段があったんだよな。アクアと合流したらすぐにここに戻れば次の階層に進めるな。

 ……ちょっと待てよ。今俺の足元にワープスイッチって無いよな? つまりこのワープってランダムか? だとすると結構マズイぞ?


 ヒナタは何も考えず前に進もうとして何とか踏みとどまったのである。ワープスイッチは決まった場所に移動させるものではなく、踏んだその瞬間にランダムに移動させるものである。当然だがアクアが踏めばワープスイッチの効果は発揮され、どこかのフロアに移動させられる。もちろんヒナタの真横に移動させられる可能性はほぼ皆無と言っていい。

 そしていざとなればポイズンアローで何とかできるヒナタとは違い、アクアは倒されにくくはあるものの攻撃に関してはやや不安が残る。そのため単独行動は危険である。つまりヒナタはこのままアクアが前に進んでワープスイッチを踏むという事態を何としてでも防がないといけないのだ。


 ……落ち着け、何をすれば良い? 今のところずっとアクアは俺の動きについてきているはず。だから今いる俺に合流できるよう左に進む可能性もあるし、さっきの俺についていくために前に進む可能性もある。……後者っぽいな。どうする? 動かないようにしたいが、そんなことは不可の……、いや待て! こいつがあった!


 ヒナタはさくせんコマンドである「そこからうごくな」を選択した。効果は単純でアクアがその場から動かないようにすることができる。これによりヒナタはワープスイッチに怯えることなく合流が可能となった。不要と思われたさくせんコマンドが今のヒナタには輝きを放って見えたのはきっと気のせいではない。





tips:

ワープスイッチ

同階層のどこかのフロアにランダムにワープさせる。永続的に効果がある。

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