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73話 最悪のパターンだった可能性


 ヒナタが今まさに通路へ入ろうとしたその瞬間、ヒナタの目の前にモンスターが現れたのである。切り株のような見た目のそのモンスターはもちろんヒナタにとって初めての遭遇となる。

 目の前のモンスターの属性が何なのか、どんなスキルを使ってくるのか。分からないことがいっぱいあるが、幸運なことに今ヒナタがいる場所はギリギリではあるがまだフロア内。つまりフラワが戦闘に絡めるのである。


 ……今俺たちは一応L字の隊形になっているのか。俺の真後ろにアクアが、斜め右後ろにフラワがいると。でも肝心の敵モンスターは今俺の正面にいる。……俺が右に進めば前に進んでくれたりしないかな。……多分1回くらいなら攻撃がもし来ても耐えるよね。ちょっと怖いが、動いてみようか。

 よし! 前に出てきてくれたな。それじゃあL字型の本領を発揮するか。こいつの属性は……、見た目からして風属性か闇属性かな。だとすれば撃つべきはバイトだな。


『ヒナタのバイト ゴーウッドに11のダメージ』

『アクアの通常攻撃 ゴーウッドに7のダメージ』

『フラワの通常攻撃 ゴーウッドに31のダメージ』

『ゴーウッドを倒した 経験値を101手に入れた』


 よし、倒した……、うっそマジ? 後ろからマチルドが出てきたんだけど。それじゃあ通路内でゴーウッドと戦ってたら連戦になったってこと? 中々最悪のパターンを引いたみたいだな。……日頃の行いは悪くないはずだけどなぁ。ま、気にしないでおくか。

 ええと、この位置からでも別にスキル撃てるんだよね。ウィンドとかドレインとかは角抜攻撃だしな。だったらスキルで攻撃しつつ、前に出るのを待ち構えるのが正解かな。


 ヒナタはそう結論づけコマンドを選択しようとして……、はたと止まった。当然のことだが、こちらからスキルによる攻撃が届くのならば相手からも届くのである。マチルドの発動させるアビスが角抜か否かをヒナタは一切知らない。言ってしまえばこの選択は甘い見立ての大博打である。

 もし角抜攻撃スキルの撃ち合いとなればヒナタに勝ち目は無い。気付くのが遅ければきっとなす術なく力尽きていただろう。背中に冷たいものを感じながらヒナタは先程決めたコマンドではなく、真後ろに下がることを選択したのだ。




tips:

ゴーウッド

切り株の精霊モンスター。遭遇した生き物の生気を吸って栄養にしているらしい。

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