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70話 一段と暗くなる

――

迷いの森 地下 3階層

――


 ……これはまた一段と暗くなったな。今まではフロアの中から通路が二マスまでは見れたんだけど、一マスしか見れない。つまりここから先はいつ通路でモンスターと出くわすか分からないってことだ。飛び道具はとがった石があと1つだけ。出くわす前にとがった石を拾いたいけど、……まあそう上手くはいかないよな。それほど期待はしないでおこう。

 このフロアには何にも無いし覚悟を決めて通路を……ん?


 ヒナタたちが降り立ったフロアには何のアイテムも落ちておらずフロア内にモンスターの姿もなかった。ならば長居する意味は無い。そう判断したヒナタは最後に見落としているものがないか確認するために辺りを見渡したのだ。そしてあることに気がついたのである。


 それはフロアの壁の模様である。ある一点だけフロアの壁に青い火の模様が見えるのだ。やや遠くの壁故にはっきりとは見えないが、ヒナタにはその火が揺らめいているように見えた。見間違いでなければあれは恐らくガイストである。


 ……一歩近づいてみるか。……やっぱりそうじゃねぇか。あれはガイストだ。

迷いの森の攻略を始めた時から、壁を通り抜けて近づいて来るモンスターがいるじゃないかって思ってたんだよ。……結構距離は離れてるな。もう一歩進んで隊形を整えるか。


『おとしあなスイッチ発動! ヒナタは落とし穴に落ちてしまった』


 ……ん?


 おとしあなスイッチは文字通り仕掛けられた落とし穴にハマってしまうトラップである。戸惑う暇もなくヒナタは襲いかかる浮遊感を感じながら下へと落ちていった……。


――

迷いの森 地下4階層

――


『ヒナタは落とし穴に落ちてしまった ヒナタに10のダメージ』


 ……何があった? ログは……、おとしあなスイッチ。……これだな。ログを見直す限りおとしあなスイッチは10ダメージを喰らって下の階層まで落ちる効果。このダンジョンは地下へと続くダンジョンだから実質的には前に進む罠だな。10ダメージで階段を探す手間をかけずに済むからむしろかなりラッキーとも言える。

 そして落とし穴に落ちたのが俺だけだとしても、同行者も一緒に階層を進められると。うん、要するにこれはプレイヤーがダメージを喰らう階段ってことだ。……と言うことは落ちた先がどうなっているのかはランダム。ダメージを喰らった上でモンスターに囲まれる可能性もゼロじゃない。……ふふ、俺はどうやらかなりラッキーなようだぜ。


 今回の探検はダンジョンの踏破が目的である。そのためヒナタたちはできることならば階段を早く見つけておきたいのだ。それはもちろん早く見つければ見つけるほど踏破の可能性が上がる故である。

 ではヒナタがラッキーと思ったのは落ちた先に階段を見つけたからなのだろうか。確かにそれもまたラッキーである。しかし残念ながら今回はそうではなかった。

 その代わりにある意味階段よりも嬉しいものが落ちていたのである。ヒナタは罠に気をつけながら落ちているそのアイテムを拾い上げた。


『ヒナタはとがった石(4)を拾った』


 ……良い、非常に良い。一番嬉しいまである。これがあれば通路の中でモンスターと遭遇しても何とかなる。……さっきガイストが壁の中から現れたからな。この先同じように遭遇しないとも限らない。ひとまずこれでひと安心だ。……壁の中って飛び道具で攻撃できるのかな? ダメだった時リスクが大きすぎるからなぁ……。まあそれは後で調べておこう。


tips:

ふんすいスイッチ、おとしあなスイッチ

10ダメージと次の階層への移動を強制的に行う(トラップ)。プレイヤー以外に効果は無い。

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