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50話 どうやら気に入られた


「お前たち、話は聞いていたな?」

「……まあ」

「当然だがお前たちにも攻略に参加してもらう」


 あれ? 完全に俺たちも頭数に入ってるな。ギルドに所属したての新米冒険隊にも参加させるのか? ……まあ、俺としては嬉しいけどさ。


「……? どうした。まさか……お前たちは参加しないと思っていたのか?」

「……まあ」

「いくら新米でもダンジョンに挑む権利は無くならないさ。むしろお前たちのような新しい世代の方が新しいダンジョン攻略に向いているかもしれないしな」

「なるほど」

「それが分かったらさっさとアルラウネのところに行くんだ。たとえダンジョン攻略は出来ずともその交流はきっと意味あるもののはずだ」


 ヒナタはヒショの話を聞きながらじっとその顔を見つめていた。第一印象は偉そうなペンギンでしかなかったヒショだが、実際は態度が偉そうに見えるだけで実態は違うのかもしれない。そんな思いがヒナタの中に少し芽生えていた。


 ……お、いたいた。あそこにアルラウネの3体がいるな。名前は確か……フラワ、グリン、それからトルーネだっけ? モチーフは花の精霊に木の精霊、そして風の精霊かな。パーティ名がアルラウネだし多分それで当たりだろう。


「……おや、君たちは」

「ユグドラシルだ。よろしく」

「ああ! ユグドラシルか、思い出した。私たちが遠征に行っている間に新しく所属した冒険隊だな。新しく所属した冒険隊は皆ノービスランクから始まる。まずはそこから一段上がることを目標にすると良いよ」


 ……ん? これもしかしてノービスランクと勘違いしてないか? 明らかにこれ俺たちがノービスランクの冒険隊だという前提で話が進んでいるよね。


「……それはもしかしてビギナーランクに上がることを目標にしろという意味かい?」

「そうだ。……もしやもう既にビギナーランクに到達しているのかい?」

「……まあ、そうだな」


 ヒナタのその言葉にフラワと呼ばれていたモンスターが目を丸くして驚いていた。普段から大きな目が大きく見開かれるとその驚きようがヒナタにもはっきりと伝わってくる。どうやら相当驚くようなことらしい。


「やはりとは思ったが、それほど早く到達しているとは……!」

「早いのか?」

「早いさ。私たちは結成してこのギルドに所属してからビギナーランクに上がるのに2月かかった。これでも平均よりはやや早いペース。私たちの遠征は約1月の期間だった。つまり私たちが遠征に行ってすぐに結成されたとしても君たちがビギナーランクに到達するまでに1月かかっていないのは明白。……ふふ、どうやら凄腕の冒険隊と見て良さそうだな」


 ……どうやら気に入られたみたいだな。と言うよりはビギナーランク昇格がトリガーなのか? まあ、とにかくシナリオは進んでるみたいだな。それじゃあ新しく見つかったダンジョンの情報とやらを聞こうかね。


tips:

冒険隊アルラウネ

フラワをリーダーとして、グリン、トルーネのメンバーで構成されるシルバーランクの冒険隊。もうじきゴールドランクに到達するのではないかという噂も?

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