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48話 進むべきか、帰るべきか


――

潮騒の洞穴 地下3階層

――


『目的のフロアに到達しました』


 目的のフロアに到達したことで依頼主であるバラクーンは嬉しそうな表情を浮かべるとヒナタたちに礼を言い、すぐにダンジョンから脱出した。残されたヒナタたちはもう一つの依頼を達成するために冒険を続行するか、依頼を達成した流れでダンジョンから脱出するかのどちらかを選ぶことができる。

 ……とは言えSPが残り少ないこととそもそも依頼を達成したことで冒険隊ランクが上がることを考えれば、取るべき選択肢はひとつ。ヒナタはカーソルを操作してギルドへと帰還したのである。


無事にギルドへ帰ってきたな。ひとまずこれで依頼は完了、そして冒険隊のランクが上がる。……上がったことで何か良いことがあるかな。ちょっと楽しみだ。


「案内してくれてありがとう。本当に助かったよ。是非この報酬を受け取ってくれ」


『ヒナタたちは報酬としてドレインの巻き物を受け取った』

『依頼達成によりランクポイントを20手に入れた』


『ユグドラシルの冒険隊ランクがビギナーランクに昇格した』

『エナジーナッツを手に入れた』

『コマンド:さくせんが解放された』


 よし、冒険隊ランクが上がったな。これでヒショからのお題はひとつ達成出来た訳だ。後は潮騒の洞穴の踏破だけだな。

 ……ところでコマンド:さくせんってのはなんだ? 多分エナジーナッツってのが消費アイテムなんだろうけど、コマンド:さくせんだけは何がなんだか分からない。……早く確認したいところだけど


「ヒナタお疲れ様。今日はもう寝てまた明日頑張ろうね」


 ま、そうなるよな。仕方ない、確認するのは日付が変わってからだね。おやすみアクア。


 隣で賑やかな音が鳴っている。枕元に置いてあるレトロな目覚ましの音でありヒナタにとっては日付が新しくなったサインである。特にする必要は無いのだが何となくひとつ大きな伸びをしてヒナタはベッドから降りた。朝礼が始まるまで少ししか時間は無いがヒナタは新しい要素を確認するためメニュー画面を開き、そして新しく増えたコマンドに気が付いた。


――

スキル

カバン

さくせん

ステータス

設定


ヒナタ 22/22 スタミナ 100/100 天候:晴れ

アクア 25/25 所持金 169G

――


 ……なるほど、これがコマンド:さくせんか。さて、これで何ができる?


tips:

さくせん

さくせんコマンドでは同行する仲間に指示を出すことができる。ただし対象は仲間のみで同行者は対象外なので注意が必要だ。

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