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4話 ユグドラシルの樹


 眩しい日差しに思わずヒナタは顔をしかめた。さっきまで暗い洞窟の中にいた反動からか外がやけに眩しく感じられた。

 ヒナタの背には先程までいた“海岸の岩場“の入り口が、そして目の前には視界の半分を覆うかのような巨大な樹があったのである。

 ユグドラシルの樹。この世界に無くてはならない神聖な樹。確かそんな説明がどこかの端っこに書かれていたような気がする。なるほど、確かに実物を見ればそんな風に扱われているのも理解できる。

 先に出た二枚貝のモンスターがいつの間にかヒナタの隣に来ていた。ヒナタはそれに気付かないほど夢中になって見ていたのだ。


「すごいよねこの樹」

「ああ、……すごい」

「……もしあの樹がダンジョンになっていたら、君は心惹かれるかい?」

「⁉︎ ……それ、本当の話か?」

「本当だよ。誰でも入れる訳じゃないけどね。……いつの日か俺はそのダンジョンを踏破してみたいんだ」


 そう言うとそのモンスターは無邪気な笑みを浮かべた。出会って時間が浅いのにまるで昔からの知り合いかのように懐かしい気持ちをヒナタは感じていた。


「……いい目標だな」

「なんだい、茶化したりしないのかい?」

「いいじゃないか、目標はいつだって高い方がいいさ」

「……そうか、やはり君はいい奴なんだな」


 あれ? 思ったより反応が良くないな。俺だったらそんなことを言われれば調子に乗っちゃうんだが。……ま、みんな俺と同じ考えじゃないから当たり前と言えばそうなんだが。


「……君に頼みがあるんだ」

「頼み?」

「一緒にギルドに来てくれないか?」


 ……ギルド? 


「……実は今までギルドに登録せずに野良でダンジョンへ向かっていたんだが、どうもうまくいかないんだ」

「……ほう」

「大体の冒険家はギルドに登録して何匹かでパーティを組むらしい。だが俺にはパーティを組む仲間もいない」

「……俺?」

「……ダメか?」


 いや、ダメかどうかは知らないけどさ。聞く限り結構重要な決断だと思うんだよな。でも断れそうな雰囲気じゃないが……。試しにちょっと渋ってみるか。


「…………そうだなあ」

「頼むよ!」


 うん、これは断れないパターンだな。ま、断る気はあんまりなかったけどね。


「それじゃあ、よろしく頼むよ」

「本当か! ありがとう‼︎」


 嬉しそうだな。これだけ喜んでもらえたのなら、こんな決断も悪くないね。


「そうだ! コードネームを決めないと」

「コードネーム?」


tips:

パーティ

最大4体のモンスターで構成される。自分だけのパーティを作ってみよう。

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