42話 案外順調?
…………なるほど、どうやらやらかしたみたいだな。しかもそれにまったく気付かなかったとは。とりあえず金庫にはマメに行くことを癖づけとかないとマズイ。
今回の冒険は依頼を達成しさえすればギルドに戻れるから良いとして、初見のダンジョンだと踏破できない可能性の方が高いから絶対に防がないといけない。全財産引き出したままダンジョンに挑むとか考えただけでも恐ろしいよ。
……よし、それじゃあ切り替えて進
『おひるねスイッチ発動! ヒナタは眠ってしまった』
おひるねスイッチだと⁈ しまった。早速罠を踏んじゃった。多分罠の効果は眠りになるだけっぽいな。
『ヒナタは眠っている』
『ヒナタは眠っている』
『ヒナタは眠っている』
『ヒナタは目を覚ました』
……案外長かったな。今はモンスターが近くにいないから良いとして、眠り状態にされるのは結構ヤバそうだ。
……状態異常の一種に眠り状態があるならその効果を持ったスキルがあってもおかしくはない。防ぐスキルとかアイテムがあればいいんだけどね。それじゃあ切り替えてす
『おひるねスイッチ発動! アクアは寝てしまった』
……えぇ? なんで普通に罠踏んでるの? ……あぁ、これ俺のせいか。アクアの通り道を考えずに進んじまった。そうか、罠を避ける思考は無いか。面倒だけど、アクアの通る道も考えて進まないといけないってことだ。
『アクアは眠っている』
『アクアは眠っている』
『アクアは目を覚ました』
お! 早いね。……と言うことは眠り状態のターン数は一定じゃないのか。普通だと上振れに期待するところなのかもしれないけど、俺はちょっと下振れが怖いかなぁ。自分が眠り状態になった時に一番長いターン眠ってしまいそうなんだよね。出来れば一定の方がありがたいんだけど……、まあそれは仕方ないな。受け入れるしかない。
それじゃあ、ようやく? 進むとしようか。
改めてダンジョンを進み始めたヒナタたちは幸運にも次に入ったフロアで依頼主であるスチリルを見つけ依頼を達成したのである。お金をロストすることなく無事に帰ってこれたことに胸を撫で下ろしながらヒナタたちもギルドへと帰還したのである。
「助けてくれてありがとう。本当に助かったよ。是非この報酬を受け取ってくれ」
『ヒナタたちは報酬として脱出リングを受け取った』
『依頼達成によりランクポイントを10手に入れた』
よしよし、これで後10ポイントで冒険隊ランクが上がるな。……案外これ順調なのか?
「ヒナタお疲れ様。今日はもう寝てまた明日頑張ろうね」
依頼が終わりギルドに帰還すれば強制的に日付が進行する。そのため次にヒナタたちが目を開けるのは日付が変わり目覚ましによって起こされる時である。つまりヒナタはレトロな目覚ましのアラーム音を初めて聴くことになるのだ。
tips:
睡眠状態
眠っている間は何の行動も出来なくなる。アイテムの他ターン経過でも自然に回復する。




