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430話 脅威が去ったその後で


「グォオォォォオ…………‼︎」


 部屋一面に轟くほどの大きな唸り声を上げたユグドラシルは糸が切れたかのように後ろに倒れ始めた。玉座ではその巨体を支えきれない。すぐさまバキバキと嫌な音を立て玉座は崩れ落ちた。

 少しの支えをさらに失ったユグドラシルは流れのまま後ろの壁にぶち当たり、ようやく止まった。……そして数秒ののちにポリゴンとなって消え去ったのである。こうしてユグドラシルの脅威は去ったのである。


「……終わったのか?」

「あぁ、あなたたちのおかけで世界の平和は守られたのだ。礼を言う」


 振り返るとそこにはスケリラールが立っていたのである。ヒナタたちに倒され息も絶え絶えだったように思うが、どうやら回復したようだ。


「なに、私は創造神だ。力尽きたごときで消え去ったりはせんよ。……回復には少しばかり時間がかかるがね」

「……なるほど」

「怒りに我を忘れるとロクでもないことが起こるということだの。これほどまでの事態になるとは本当にすまなかった」


 そう言うとスケリラールは頭を下げた。どうやら思っている以上にスケリラールは反省しているようだ。

 力尽きても消え去ったりはしないと胸を張った、かと思えば次の瞬間にはこうして反省して頭を深々と下げている。なんとつかみどころのないのだろう。そう思うとヒナタは少し笑みがこぼれた。


「何はともあれあなたたちのおかげで世界は守られたのだ。これは祝するべきこと。よってこれより宴を開く」

「宴?」

「そうだ。美味いご馳走を大いに食べ、音楽を鳴らし思い思いにみな楽しむ。それはそれは楽しいものだ。あなたたちはもちろん、……この世界にいる皆で楽しもうぞ。それでは宴の始まりだ……!!」


 スケリラールはそう言うと楽器を取り出し演奏を始めた。それはそれは楽しそうに笑みを浮かべている。奥を見るとトップもまた楽器を取り出し演奏していた。そしてトップもまたそれはそれは楽しそうに笑っている。


 横にいるアクアはどうだろう? あぁ、楽器こそ演奏していなくてもアクアは間違いなく楽しんでいるのだ。それは彼の満面の笑みからヒナタに伝わってくるのだ。そして彼もまた満面の笑みを浮かべていたのである。こうしてヒナタたちの冒険は幕を閉じたのであった……。

ここまで読んで下さりありがとうございます。次回で最終回エピローグとなります。最後までこの作品を楽しんでいただけると嬉しいです。

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