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40話 狙いはハズレ


 トゲボンの姿を確認したヒナタはL字型でトゲボンが近づいて来るのを待ち構えた。トゲボンのスキルであるニードルは周囲に攻撃する範囲攻撃であり、どちらもダメージを喰らうためにこの隊形で待ち構えるのはやや不利と言える。

 とは言えそれはあくまでもニードルを使ってくればの話である。使ってこないのならば1匹で攻撃するよりも2匹で攻撃する方が遥かに効率的である。要は倒される前に倒してしまえば良いのだ。


『ヒナタのバイト トゲボンに10のダメージ』

『アクアのバブルスキン アクアはバブルスキン状態になった』

『トゲボンのニードル ヒナタに7のダメージ アクアに3のダメージ』


 おお! これがバブルスキンか。……アクアへのダメージが抑えられるのは嬉しいけど、ここは攻撃して欲しかったかな……。ま、これは仕方ないか。


『ヒナタのバイト トゲボンに10のダメージ』

『トゲボンを倒した 経験値を31手に入れた』


 お、倒せたね。経験値31は美味しいな。今のところの最高値だ。倒すのがちょっと面倒な分経験値効率が良いのは救いだな。

 さて、気になるのはここからだ。


 ヒナタは振り返ると今来た道を戻り始めた。もちろんそちらの方向に階段は無い。戻った理由はただひとつ。検証する際に不要な要素を弾くためである。今ヒナタが検証しているのはバブルスキンの効果ターン数である。


『アクアはバブルスキン状態ではなくなった』


 お、効果切れ。6ターンってところか。意外と保ったな。このくらいバブルスキン状態が続くなら結構優秀なスキルになるね。特にボスみたいな強敵相手だとその効果が発揮されそうだ。なにせダメージ半減だからな。そりゃあ優秀だよ。

 ……おっと、……これはどうするべきだ?


 フロアに足を踏み入れたヒナタは顔をしかめた。フロアには下へと降りる階段と敵モンスターが2体いたのである。2体のうち奥にいる方はこちらに気付いているようだが、もう1体は気付いていない。

 手前にいる敵モンスターはオトシゴン。フロアに入って来たヒナタたちには目もくれず気持ちよさそうに眠っているのだ。


 ……フロアの中で寝ているモンスターは初めて見たな。起こさないように注意したいところだけど、……いったい何に注意すれば良いんだ? とりあえず隣のマスには入らないようにするか。

 となると、階段へ行くには必然的に遠回りになって奥にいるアイツとの戦闘は避けられない……というわけだな。L字型に待ち構えるのが難しいタイミングでガドカリを相手にするのはちょっと厳しいぞ。

 一応このフロアは横にも広いから横に逃げつつ隊形を作る動きは出来なくともないんだけど、それをしてる間に別の敵モンスターが来てしまう最悪のパターンがあるからな。……仕方ない。諦めて俺だけでガドカリを倒すか。


 ヒナタはアクアと共闘するではなく単独で撃破することを選択したようだ。何事もなく1マス分まで距離を詰めたヒナタは通常攻撃を放った。もちろんこれでダメージは与えられない。ヒナタの狙いはターン進行であり、その上でガドカリ側から近づかせることで先手を取ろうとしたのだ。


 しかしこの狙いは外れてしまう。ガドカリの行動は移動ではなくスキルの使用だったのだ。


『ガドカリのプロテクト ガドカリのまもりが少し上がった』


tips:

スキルには相手や味方に効果があるものと自分に効果があるものがある。自分に効果があるものはいつでも発動可能だ。

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