39話 バブルスキン
――
潮騒の洞穴 地下1階層
――
さて、潮騒の洞穴だな。アクアがもうすぐレベルアップだからひとまず手頃な敵モンスターを探したいところだけど……、オトシゴンがいるな。場所的にもちょうどいいし、L字型で待ち構えよう。
『ヒナタのバイト オトシゴンに11のダメージ』
『アクアのショット【水】 あまり効いていない オトシゴンに3のダメージ』
『オトシゴンの通常攻撃 アクアに5のダメージ』
ここまで削ったらもう通常攻撃で良いかな。
『ヒナタの通常攻撃 オトシゴンに7のダメージ』
『オトシゴンを倒した 経験値を22手に入れた』
『アクアのレベルが1上がった』
『HP+5、SP+1、ちから+2、まもり+2、せいしん+2』
『スキル:バブルスキンを習得した』
バブルスキン? ……確認してみよう。
――
バブルスキン 水属性
泡でからだを覆ってまもりを固める。一定ターン相手からのダメージを半減する。
消費SP 8
――
おぉ! これ普通に強いな。一定ターンがどれくらい長いかにもよるけどダメージ半減はかなり美味しい。消費SPはちょっと重いけど、まあそれを加味しても強いスキルには違いないな。
スキルの性能を素早く確認し終えたヒナタはすぐに依頼に再び取り掛かるために階段を探し始めた。しかし気になることがあったヒナタは前へと進みながら別のことを考えていたのだ。
……そういやスキル指定って出来ないんだよな。アクアの通常攻撃とかスキルとかの行動はAIが全部決めてる。そのAIが優秀だと良いんだけど、今のところどっちかと言うと優秀じゃなさそうなんだよな。だって優秀だったら水属性の敵モンスターに水属性のスキルを出さないよ。
となるとこのバブルスキンが厄介スキルになり得る可能性もあるんだよな。まだ近づいてもないのに連発してSPが切れるとか、攻撃して欲しい時に発動して俺が余計にダメージを食らっちゃうとか。
一旦習得したスキルを忘れるってのはちょっともったいないからスキル指定とかでそこをクリアしたいんだけど……、今のところ出来ないか。
とりあえず今は依頼に集中しよう。ともするとAIが優秀になって心配無用の可能性もあるしね。……お、あれアイテムだな。
『ヒナタはスイートメープルを拾った』
そうそう、スイートメープルね。ミセミセのショップで見たことがあるよ。こんがりクロワッサンの隣にあったから回復アイテムだと思っているんだけど、確認してみようか。
――
スイートメープル
SPを50回復する。スタミナを5回復する。
――
やっぱりね、回復アイテムだったか。SPが回復するのは嬉しいけど、……50か。確かこんがりクロワッサンは100回復だったような……。だとするとSPを 100回復するアイテムが他にあるのか? まあ、いいか。ひとまずこれでSPの心配は軽減されたな。良いことだ。
それじゃあ次のフロアに……、おっと敵モンスターか。……あれは、トゲボンだ。
tips:
SP
スキルの発動に欠かせないポイント。アイテムで回復することが出来る。思わぬSPの減少には注意が必要だ。