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37話 仕入れは上々

 

 なにせヒナタにとって石ころが回避されたのは初めての経験であり、当たっていれば倒せていたであろうことは考えるまでもなく分かっていた。


 ローグライクゲームの難しさをしばらく噛み締めていたヒナタは、不意に気付いたようにカバンの中身を確認し始めた。


 ……こんがりクロワッサンが1つだけか。まあ、全部無いよりはマシだな。そもそも確かカバンの中にはこんがりクロワッサンが2つだけだったはず。だったらダメージは少ないと考えていいだろ。それじゃあ先に朝礼に行こうかな。


「……それでは解散」


 朝礼が終わった瞬間にヒナタは一目散にタカラのいる場所を目指した。もちろんお金を引き出すためである。冒険失敗となり無一文となったヒナタたちはお金を引き出さなくては買い物が出来ないのだ。


――

金庫

――


 ……朝礼が終わってほぼロスなしでここまで来たはずなんだが、いつの間にタカラに抜かされたんだろう? 抜かされた覚えはないんだけどな。……まあ、金庫の前に誰もいない状態ってのも無防備だし良くないか。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「お金を引き出したい」

「一部をお引き出しになられますか? それとも全額お引き出しになられますか?」

「……全額で」

「かしこまりました。確かに全額お引き出しいたしました。ヒナタ様の預金は0Gでございます。またのご利用をお待ちしております」


――

ショップ

――


「「やあ、ミセミセのショップへようこそ♪」」

「頼んでいたグッズは仕入れられたか?」

「「もちろんさ♪」」


 ミセミセは得意気な表情である。視界の端にはレトロな目覚ましらしきものも見え確かにきちんと仕入れられているようである。仕入れの精度は上々のようだ。


「800Gだったな」

「「ちょうどだね、ありがとう♪」」


 ミセミセは上機嫌のようだがヒナタも上機嫌である。なにせようやくあの目覚ましから解放されるのだ。冒険を終え、日付を変える度に聞かなければならない目覚ましの音がうるさすぎるのはモチベーションに関わるのだ。


――

拠点

――


 さて、それじゃあ早速模様替えだな。ルームメーカーを起動しよう。……うん、完了だな。


 ルームメーカーの操作を終えたヒナタの目の前にあるのはもちろんレトロな目覚ましである。耳のようなベルが付いたそれは漫画でしか見たことのない古い代物である。明日からこの目覚ましでヒナタたちは目覚めるのだ。


 無事に模様替え完了だな。……この目覚ましはどうしようか。恐らくもう使うことは無いんだけど、売るのはちょっとやめた方が良いかもしれない。今日買った目覚ましの音が気に入らない可能性もあるし、何より貰ったものを趣味に合わないからすぐに売ってしまうってのは良くないよな。倉庫に預けておくか。


tips:

アイテムの中には中々手に入らないものも。売却は慎重に。

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