380話 まずは準備してから
鳴り響く賑やかな音でヒナタは目を覚ました。気持ちいつもよりも清々しい目覚めのような気がしている。何となくの違いでしかないが、確かにヒナタは達成感のようなものを感じているようである。
だが今はまだそれには早い。今は言わば最終目的地までのゴールが見えただけに過ぎないのだ。ここから、ここからさらに気を引き締めなければ。ひとつ大袈裟に息を吐いて気持ちをリセットするとヒナタは勢いよくウォーターベッドから飛び降り、朝礼に向かうのであった。
「……それでは、解散」
さて、それじゃあ宝玉の間に行く前にちょっと準備をしようかな。ハートのおまもりは減っちゃったし、スイートメープルやこんがりクロワッサンも追加しておきたいよね。……ん? 何か呼ばれてる? あぁ、ヒショが呼んでるのか。何だろね。
「お前たち、今ちょっといいか?」
「どうした?」
「トップがお呼びだ。……心づもりができたら行くと良い」
……ほう、今すぐって訳じゃなくて何かしらの準備をしてから来いと。この手のイベントはよくある奴だな。進むことをキーとして強制イベントが始まる系の奴だ。
オーブを集め終わって向かう場所ももう知っている状態。その状態で起きる強制イベントっていうと、……後戻りができない縛りがありそうだな。拠点を利用できる最後のタイミングの可能性が高い。ならしっかりと準備をしてから行くとしようかな。
――
ショップ
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「「やあ!ミセミセのショップへようこそ♪」」
ヒナタたちは準備をするためにまずショップを訪れていた。少なくともハートのおまもりは追加しなければならず、そのためにお金が必要だからというのが理由である。現在の所持金は658G。カバンの中のアクアウェーブの巻き物を売れば十分ハートのおまもりが買える計算である。
「これを売りたいんだ」
「「アクアウェーブの巻き物を売るんだね? 400Gで買い取るよ。それでいいかい?」」
「もちろん」
さ、これで所持金は1058Gになった。ハートのおまもりは買えるな。ちなみに今このタイミングで売ってないっていう悲劇は……、よかった大丈夫だね。必須アイテムだと思うんだけど常には置いてないんだよな。ま、売っててよかったよ。
「ハートのおまもりを買いたい」
「「ハートのおまもりだね、800Gだよ」」
「これで」
「「ちょうどだね、ありがとう♪」」
tips:
このままでは宝玉の間に行っても何も起こらない。まずはトップの話を聞くことにしよう。




