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377話 攻めるなら最大打点で


『ヒナタはブーメランを投げた マーモルガナに30のダメージ』

『アクアのシャイン かなり効いている マーモルガナに24のダメージ』

『マーモルガナの モイスチャーソング かなり効いている ヒナタに184のダメージ あまり効いていない アクアに18のダメージ』

『ヒナタの代わりにハートのおまもりが砕け散った』

『マーモルガナはバブルスキン状態ではなくなった。』


 ……ふぅ、すんごいダメージだこと。このダメージは俺が火属性のモンスターである限り絶対に耐えられない。相性ってのはつくづく厄介なものだね。


 でもそれは相手マーモルガナだって同じこと。大技が来るってことはそれなりに消耗してる証拠なんじゃない? こちらも最大打点セイントクロスを狙わせてもらうぜ。……しっかり回復した後でな!


『ヒナタはスイートメープルを使った アクアのSPが50回復した』

『アクアのセイントクロス かなり効いている マーモルガナに112のダメージ』

『マーモルガナを倒した 経験値を4674手に入れた ヒナタはさらに経験値を2337手に入れた』


 マーモルガナの目の前にハートのおまもりが現れ、そして砕け散った。倒したというウィンドウ表記では実感があまり湧かなかったが、その様子を見ると倒したのだという実感が少しずつ湧いてくるのをヒナタは感じていた。

 そして同時に精神的な解放感もヒナタは感じていた。それだけ息が詰まる戦いだったのだ。マーモルガナは今までのボスの中で一番厄介な相手だった。火属性を持つヒナタにはそう思わざるを得なかったのである。


「……ふぅ、まさか私が倒されるとは。……なんてね、分かってたわよ。ダクディアが助言したの?」

「助言?」

「進化の極致よ。ここに至らなければこの先戦っていくことはできない。その話をダクディアからきいたんじゃないの?」

「それは……、まあそうだな」


 先程までの戦闘が嘘のようにマーモルガナは和やかな様子である。まるで憑き物が落ちたかのようなその姿にヒナタたちはやや戸惑っていた。だがマーモルガナはそれに構わず話を続けたのである。


「あいつ自分にできないことを他者に要求するのね。まあらしいと言えばらしいけど。私は彼のように綺麗に諦めることはできなかった。ひとりでだってできる。やろうと思えばなんだってできる。そんな気概があれば誰だって進化の極致にはたどり着ける。少なくとも私はそう信じてる」

「……なるほど?」

「君たちだってそう。諦めが悪いのは冒険隊にとっては長所のひとつ。失敗=死ではない。気持ちが折れてなければ何度だって立ち向かうことができる。……多分あいつもそうだと思うんだけどね」


 そう言うとマーモルガナはヒナタたち……ではなく、どこか遠くの方を見ていた。そこに何があるのかヒナタたちには分からなかったが、何もない虚空を眺めているようにも見えなかった。マーモルガナには恐らくしっかりと何かが見えているのだろう。


tips:

冒険隊に必要なこころは決して諦めない気持ちである。諦めなければいつかは達成できる。

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