35話 大きな盾にも見える
よしよし、倒せたな。……ん? 経験値22か。オトシゴンってそんなに経験値高かったっけ?
まあ良いか。ええと、このフロアから進める通路は2つあるんだよね。正面の壁の左右の両端から奥に伸びる通路。……正直どっちに進んでもいいな。なんとなく気分的に左かな。
ヒナタは少し悩んで左の方の通路を進んで行った。先へと進むとすぐに曲がり角になりおよそフロア分くらいの長さの細い通路へ出た。最早確かめる必要すらない。どちらの通路から進んでも結局ここで合流するのだ。
ヒナタは少し肩をすくめて奥のフロアを目指しまた曲がり角を曲がった。そこにはこんがりクロワッサンらしきアイテムと見たことのないモンスターがいたのである。
……あれってアイテムじゃないよな? 大きな盾にも見えるけど、後ろに生き物の足のようなものも見える。……一旦前に進むか。おっと! ……動いたな。と言うことはこいつはアイテムじゃなくて敵モンスターだ。どんなモンスターか分からないからとりあえず石ころでも投げるか。
『ヒナタは石ころを投げた ガドカリに10のダメージ』
あいつガドカリって言うのか。姿を見る限りあのでっかい盾から考えるに、相当まもりの数値は高そうだな。石ころは定数ダメージだからそこからまもりの数値は割り出せないんだよね。……一応あんまりダメージが入らなかった時用にL字型で待ち構えるか。
『ヒナタのバイト ガドカリに6のダメージ』
『アクアのショット【水】 あまり効いていない ガドカリに2のダメージ』
『ガドカリを倒した 経験値を28手に入れた』
よし、倒したな。そろそろレベルが上がるんじゃない?
『ヒナタのレベルが1上がった』
『HP+3、SP+1、ちから+3、まもり+2、せいしん+2』
やっぱりね。そろそろ上がる頃だと思ってたよ。ステータスはどうなったかな?
――
モノアイ lv.8 闇属性
名前:ヒナタ 経験値:1/225
ステータス:HP22/22、SP19/19
ちから11、まもり8、せいしん16
スキル:バイト、ドレイン、ブライト
クラムス lv.7 水属性
名前:アクア 経験値:132/142
ステータス:HP20/20、SP12/14
ちから6、まもり11、せいしん8
スキル:ガード、ショット【水】
――
中々高くなったじゃん。それにアクアのレベルアップももうすぐだな。取得経験値から考えるに次の戦闘でレベルアップするだろう。あ、そうだ。これを回収するのを忘れちゃいけない。
『ヒナタはこんがりクロワッサンを拾った』
うん、やっぱりこんがりクロワッサンだったな。前回の依頼で結構探し回った覚えがあるけど、案外あっさり落ちてるもんだね。ま、便利なアイテムだからいくらあっても無駄じゃないんだけどさ。
それじゃあ特に何も無いし、次のフロアに進もうかな。……お、階段があったな。ラッキー、次に進もう。
tips:
ダンジョン内部の構造は入る度に変化する。どの道に進めば良いかはその時にしか分からない。