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343話 番人


「……何の話だ?」

「ふむ、それはひとまず置いておくことにしようかの。それよりもあんたはユグドラシルの神樹について聞きにきたのではないかな?」


 先程の会話について聞こうとしたヒナタであったがそれは簡単にあしらわれてしまったのである。食い下がってもよかったが恐らく結果は同じ。どうせ聞くことはできないだろう。

 それは今聞いても仕方がないという意味であり、いずれはわかる話なのだ。そう言い聞かせてヒナタはジイヤにユグドラシルの神樹について聞くことにしたのである。そもそもの目的はそれなのだから。


「さて、ユグドラシルの神樹についてかの。あんたたちは既にその資格は手にしている。進化の極致に到達しておるからの。まあ、ある程度の攻略は可能と言える。運が良ければ踏破もできるかもしれぬ」


 ジイヤからのある程度の攻略ができるとの言葉は素直に嬉しいものであった。話ではダクディアの時は止めたというのだから少なくともそれよりは踏破の可能性があるということである。しかし運が良ければとはどういう意味だろうか。


「……運が良ければ?」

「左様。ユグドラシルの神樹にはあやつがおるからの」

「あやつ?」

「ユグドラシルの神樹には他の敵モンスターとは格が違う強力な敵モンスターが棲息しているんだ。……名をテオラメテオ。あまりの強さにその存在は伝説とまで言われているユグドラシルの神樹の番人だよ」


「……番人か。つまりボスモンスターってことか?」

「いや、違う。あやつはボスではない」

「ん? 違うのか?」

「テオラメテオはいわゆる普通の敵モンスターだよ。どの階層でも遭遇する可能性があるし、逆に言えばどの階層でも遭遇しない可能性もある」

「いることが分かりやすいことが救いじゃな。あやつにはフロアの概念がない。壁を燃やして進む故にあやつが通った道は燃えた跡が残っておる。……ユグドラシルの神樹では燃え跡を見つければ警戒した方がええという訳じゃの」


 ……え、怖。ええと、つまり階層に元々ある通路じゃなくて、燃えた跡がある通路が不自然にあったらそのテオラメテオがいた証拠ってことだな。階層の構造を超越して行動してるあたり格が違うってのは本当の話なんだろうな。

 しかも扱いは通常の敵モンスターと同じということは複数と遭遇する可能性もあるってことだ。それに構造を超越して行動してるってことはいきなり壁から出現するってこともある。壁の中を移動してくるガイストなんかとやってることは同じだが怖さは段違いだな。


tips:

テオラメテオ

全てを焼き尽くす最強の存在。壁すらも消し去るその火に消せないものはない。

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