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332話 共通点


「時にお前たちは進化の極致に至ったものが持つ共通点を知っているか?」

「……共通点?」

「あぁ、そうだ」


 そんなこと急に言われたって一切分からないね。そもそもサンプル数が少なすぎる。俺が知ってるのは2体。俺とアクアだけだ。

 そんな状態で共通点を取っても俺とアクアの共通点がはじき出されるだけだ。ヒントが少なくて何にも思い浮かばないね。


「……分からないな」

「まあ、そうだろうな。……お前たち、名前を何という?」

「名前? 俺がヒナタでこっちがア」

「違う、そうじゃない」

「……?」

「種族名と言えばいいか。お前たちは何というモンスターなのかを聞いている」

「なるほどね。……俺がヴァンバロン、アクアがグランクラムだ」

「なるほど、ヴァンバロンにグランクラムか。確かに進化の極致には間違いなく至っている」

「なぜそれを?」

「決まっている。名前だよ名前。進化の極致に至ったモンスターは総じてその種族名が6文字となる。裏を返せば6文字でないなら進化の極致には至っていないということだ」


 ……なるほど、6文字。確かに俺もアクアも6文字だな。そして目の前のダクディアは5文字だから違うと。偉そうなことを言っているからてっきりダクディアも進化の極致に至っているのかと思ってたよ。そうか、まだ到達してないんだな。……煽ってみるか。


「となると、あんたは進化の極致に至っていないことになるが?」

「もちろんそうだ。ついでに言えば私のパーティメンバーであるキュビクス、アクマイドもまた到達していない。私たちのパーティには進化の極致に至ったものは誰ひとりいなかったのだよ」


 あ、そうか。トップの種族名はキュビクスだったな。……へぇ、トップもまだ到達していなかったんだな。なんか意外だわ。


「6文字の種族名を持つモンスターは限られている。……意識していなければ認識すらしていないくらいだ。故に私たちは都市伝説だと思ったのだよ。進化の極致という概念そのものをね」

「存在しないものだと」

「あぁ、そういうことだ。私たちは伝説を目指すためにあの場所で進化し、もう充分だと思い込み攻略に乗り込んだ。……そしてそれがあまりにも愚かな思い上がりだと悟ったのだよ」

「……何があった?」

「……先程、お前たちの目指す場所を化け物たちの巣窟だと言ったな。……私たちはそこへ向かうまでにとある1匹の6文字の種族名を持つモンスターに遭遇したのだ。そしてそのものは私たちに助言を与えた。そのままでは到底無理だと。しかし私たちはそれを聞かず前へとただ進んだ。……信じられなかったのだよ。不安が作るまやかしだと自分に言い聞かせてね」


tips:

生まれながらに6文字の種族名を持つものは唯一スケリラールのみ。

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