表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/395

31話 経験を積め


迷いの森? いかにもダンジョンっぽい名前の森だな。


「迷いの森と言うと、ユグドラシルの樹に続いているっていう噂のダンジョンのことだよね」


 へぇ、ユグドラシルの樹に続いているらしいダンジョンなのか。なるほど、だからアクアが詳しく知ってるんだな。それを聞くとちょっと行ってみたい気がしてくるな。


「そう。その迷いの森だよ」

「それがどうしたの?」

「実はあの森の奥底には誰も食べたことのない秘密の食材が眠ってるっていう噂なのさ。グルメの僕としては是非ともそれを食べてみたいのさ。……でも海岸の岩場でさえ踏破出来なかった僕には迷いの森の奥底なんてとてもじゃないがいけない。そこで君たちに頼みたいのさ」


 なるほど、それが頼み事ってわけか。つまりペロリンの代わりに迷いの森の奥底まで行って秘密の食材を手に入れてくればいいんだな。そのダンジョンがどれくらいの難易度かは分からないけど、俺たちはいずれユグドラシルの樹の中へ入ろうってんだから行ってみたいね。


「俺としては断る理由がないな。アクアは?」

「僕も断る理由はないよ。ただ、迷いの森か……。初めて行くダンジョンになるから何か情報が欲しいところだね。……ヒショなら何か知ってるかな」

「かもな」

「頼もしいね! 場所が場所だからすぐにとは言わないよ。迷いの森が踏破できたら連絡してくれればいいさ。それじゃあ楽しみに待ってるよ」


 そう言うとペロリンはにこやかに笑って去っていった。残されたヒナタとアクアはひとまず情報収集をするためにヒショのもとへと戻るのであった。


「……なるほど、迷いの森の踏破か」

「初めて行くダンジョンになるから情報を集めたくてね。何か知ってるかい?」

「……まあ、知っているな」

「お、それじゃあちょっと教えてくれ」


 どうやらヒショは迷いの森について何か知っているようだ。だが口調がどこか浮かなく、表情はやや険しい。彼はいったい何を知っているのだろうか。


「…………まず、大前提だが。無謀だ」

「ほう、無謀なのか」

「ああ。ノービスランクのお前たちがあのダンジョンを踏破するのは無謀すぎる。……せめてビギナー、いやアマチュアランク近くまで経験を積まないと私としては大々的に行ってこいとは言いがたい。……だが」


「……だが?」

「依頼を受けたんだろう? ならば途中で投げ出すのは少々信用問題に関わる。それも指名依頼となれば尚更だ」

「……それじゃあどうすれば?」

「経験が足りないことは事実。……依頼主はそれほど急いでいないだろう?」

「ああ、すぐにとは言わないと」

「ならば経験を積むしかないな。ちょうどお前たちにおあつらえむきの場所がある。ワンダーマップを広げてくれ」


tips:

迷いの森

ユグドラシルの樹へと続くとされているダンジョン。奥底には何か秘密があるようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ