318話 あとはレベルを上げるだけ
『救出されたイケメダケは嬉しそうに帰っていった』
『依頼をひとつ達成しました。すぐにギルドに帰還しますか?』
操作を間違えるとかなり面倒になるから慎重に、……はいっと。お、暗転したね。
「討伐してくれてありがとう。本当に助かったよ。是非この報酬を受け取ってくれ」
『ヒナタたちは報酬としてプラズマリングの巻き物を受け取った』
『依頼達成によりランクポイントを150手に入れた』
「助けてくれてありがとう。本当に助かったよ。是非この報酬を受け取ってくれ」
『ヒナタたちは報酬としてリーダーシップの巻き物を受け取った』
『依頼達成によりランクポイントを100手に入れた』
よし、これであとはアクアのレベルを上げるだけだな。……習得できればの話だけど。
「ヒナタお疲れ様。今日はもう寝て、明日また頑張ろうね」
ま、きっと大丈夫だろ。なんとなくそんな気がするや。それじゃあまた明日、おやすみアクア。
隣で鳴り響く賑やかな音でヒナタは目を覚ました。いつもの気持ちのいい目覚めである。それに加えてわくわくした気持ちをヒナタは抱えていた。理由は簡単、自分の進化の条件が満たされているという実感を感じているからである。少なくともヒナタは今この時点で進化することが可能なのだ。
……さて朝礼を済ませてからでもいいけど、今解消しておくか。どうせいつかは確かめるんだ。今でも何の問題もない。
――
プラズマリングの巻き物を誰に使いますか?
ヒナタ 使えません
アクア 使えます
――
……ふぅ、第一段階はクリアだな。雷属性とはいえ、それなりに威力もある周囲攻撃スキル。アクアが習得できない可能性はゼロじゃなかった。
『アクアはスキル:プラズマリングを習得した』
『プラズマリングの巻き物は塵となって消えた』
さ、問題は次。リーダーシップの巻き物がアクアに使えるかどうかだ。リーダーシップは仲間モンスターのクリティカル率を上げる無属性スキル。結局効果のほどはあんまり分からなかったけど、何となくモンスターを選びそうなスキルな気がする。……それこそ俺だけ習得できるとか、どっちも習得できないとか普通にあり得る話だ。…………ええい、ままよ。
――
リーダーシップの巻き物を誰に使いますか
ヒナタ 使えます
アクア 使えます
――
お! 習得できるじゃん‼︎ いやぁ、無駄な心配だった。普通にどっちも習得できるスキルだったよ。クリティカル率を上げるっていう効果だけにどうやら汎用スキルだったみたいだな。
ひとまずこれであとはレベルを上げるだけになった。レベルを上げるには経験値が結構足りてないけど、それも時間の問題。それに俺が進化すればステータスも上がるだろうし、経験値も今より稼ぎやすくなるはずだ。だったらすぐにレベルも上がるはずだよ。ふふ、楽しみになってきた。さ、朝礼へ行こう。
tips:
スキルの習得の可否はモンスターによって様々。高威力の攻撃スキルを習得できたとしても、低威力の攻撃スキルが習得できないこともある。




