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308話 進化の祠の秘密


 あまり納得してない表情を浮かべながらヒナタはとりあえずヒショのもとに戻ることにしたのである。戻るとそこにはガオンの姿があった。先程ショップから戻ったところなのだろう。


「おや、ヒナタたちじゃないか。どうしたんだ?」

「あぁ、そういやお前たちはガオンを探していたんだったか? 何の用だったんだ?」

「ガオンに進化の条件を聞きたくてさ」

「進化の条件? ……悪いが俺はそれを知らないな。お前さんたちの力になれないで申し訳ねぇや」


 ……なるほど、ここまできて空振りってことか。厳しいなぁ……。


「なんだ、君たち進化の条件について知りたかったのか。それなら早くそう言えば良かったのに」

「……ん?」

「君たちに進化の祠の使い方を教えてやろう。あの場所は進化するだけの場所ではない。……もっと崇高な場所なのだよ」


――

進化の祠

――


 ポータルを通じてやって来たのは進化の祠である。柔らかな青い光を纏うその祠はついさっき見たままの姿をしていた。進化するだけの場所ではない。ヒショのその言葉がヒナタの頭にずっと引っかかっていた。


「この場所はポータルを繋げることでいつでも来ることができる場所だ。故にトップはここにたどり着いた時から何度も通ったという。そして見つけたのだ。自分がどうすれば更なる進化を遂げることができるのか。それを知る方法をね」


 そう言うとヒショはゆっくりと祠に近づいていった。祈りを捧げるべき場所を素通りしまっすぐ祠を見つめた。


 何をするのか、そして何がどうなるのか。ヒショは一切の説明をしなかった故にヒナタたちはただそれを見ることしかできなかった。どれくらいそうして待っていればいいのだろうか。その疑問を解消するためヒナタがヒショに話しかけようとしたその時、声が聞こえてきた。


「……汝、進化を望むか?」

「……条件を」

「スキルをさらに習得するのだ。あと2つ水属性スキルを習得すれば汝に更なる力を授けよう」


「……今のは」

「聞いた通りだ。この祠は祈ることで進化することができるが、さらに近づいて立ち続ければ、進化するための条件を教えてくれるのさ。……聞くよりもやった方が理解が早いだろう。私と同じようにしてみるのだ」


 そう言うとヒショは立っていた場所から少し離れた。どこに立っていたかは見ていたから分かっている。が、そんなところに立ったとて同じように声が聞こえてくるとは思えなかった。しかしやらない訳にもいかない。


 ヒナタはヒショにならって祈りを捧げるべき場所を素通りしまっすぐ祠を見つめた。それだけの何もない時間が流れる。この場所であっているのか、そもそもこれが正しいやり方なのか。答えの出ない疑問が頭に浮いてきたその瞬間。やはり声が聞こえてきたのだ。


「……汝、進化を望むか?」


tips:

進化の祠では進化の条件や進化先の有無を調べることもできる。

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