293話 貫通
2階層に来たな。……このダンジョンってどれくらいの長さなんだろうね。常夜の森が大概長めのダンジョンだったから上層はそれほど長くないといいんだけど……。
ダンジョンの見た目で大体の階層の長さが分かったりするけど、今回は暗闇すぎて何にも分かんなかったからな。お、壁の中にウィルストがいるな。この距離なら……大丈夫だろ。
『ヒナタはブーメランを投げた ウィルストに30のダメージ』
『ヒナタはブーメランを投げた ウィルストに30のダメージ』
さて、確か3発では倒せなかったよな? 1回下がって隊形を整えるか。多分アクアの通常攻撃のダメージがあれば倒せると思うんだ。倒せなかったらどうしよう? ……まあでもウィルストなら大丈夫か。
『ヒナタはブーメランを投げた ウィルストに30のダメージ』
『アクアの通常攻撃 ウィルストに17のダメージ』
『ウィルストを倒した 経験値を232手に入れた アクアはさらに経験値を116手に入れた』
よし、先へ進もう。……ふむ、巻き物があるな。何のスキルだろ。
『ヒナタはフレイムスピアの巻き物を拾った』
フレイムスピアか。スピアっていうと……、槍だね。フレイムだから火属性の攻撃スキルだろ。つまり俺の新しい攻撃スキルになるな。
――
フレイムスピアの巻き物を誰に使いますか?
ヒナタ 使えます
アクア 使えません
――
うん、やっぱり習得できたな。もちろん習得するぜ。性能が楽しみだ。
『ヒナタはスキル:フレイムスピアを習得した』
『フレイムスピアの巻き物は塵となって消えた』
――
フレイムスピア 火属性直線貫通
火でできた槍を投げつける。その槍は壁まで突き刺さる。
消費SP14
――
……貫通? なんだそれ? 直線攻撃で壁まで貫通するってことは……、複数攻撃ができるのかな? ちょっとヘルプで確認してみるか。
――
貫通
攻撃したマスの直線上にいるモンスター全てに攻撃できる。
――
…………ほう、やっぱ複数体攻撃できるな。周囲攻撃と比べて範囲は劣るけど、その代わりモンスター越しに攻撃できるのは便利か。ベルクインみたいに配下を呼ぶモンスターを相手にする時に使えるかもね。
それに味方モンスターには攻撃できないことを利用すれば味方越しに攻撃ができるかもしれない。壁を通過できるウィルストとかを相手にしている時に攻撃しやすくなるのは助かるな。
その強い追加効果の分消費SPが多くなってるか。消費SPで大体の威力が測れないのが辛いところだ。周囲攻撃のアクアウェーブが消費SP 10だからそれよりは威力が高いのかな?
……まあ、その辺は撃ってみれば分かるか。とにかく俺にとって待望の直線攻撃かつ複数攻撃スキルだ。上手く活用していこう。
tips:
フレイムスピア 火属性直線貫通
火でできた槍を投げつける。その槍は壁まで突き刺さる。
消費SP14 威力90 命中 100