275話 背後には気をつけて
さて、このフロアは……。ふむ、さっきまでよりもちょっと広いフロアだな。これならすぐに階段が見つけられそうだ。ええと、一番近い通路は……右だな。
ふむ、アイテムが落ちてるな。お金とインスタントラーメンだね。インスタントラーメンはそれほど欲しくはないけど、一応回収しておこうか。
『ヒナタはインスタントラーメンを拾った』
『ヒナタは145G拾った』
よし、それじゃあ次に進もうか。……おっと、コノハウルがきたか。もうすぐ通路に入るから無視して進んでもいいんだけど、挟まれると面倒くさいからな。ブーメランで倒してから進むか。いやあ、ブーメラン様様だね。
『ヒナタはブーメランを投げた コノハウルに30のダメージ』
『ヒナタはブーメランを投げた コノハウルに30のダメージ』
……ん? あれ? いつの間に背後にヴォンドゥがいるんだ? ブーメランを投げるのに夢中で気付いてなかったよ。普通に接触してるじゃんか。
……あぁ、そうか。通路の一マス前にいるから通路に敵モンスターが入ってきた時点で接触しちゃうんだな。偶然とはいえ嫌なタイミングだよ。ブーメランで刻みながら検証する余裕はないね。前回と同じように倒そう。
『ヒナタのフレイムカッター かなり効いている ヴォンドゥに84のダメージ』
『アクアのジャックバイト ヴォンドゥに39のダメージ』
『ヴォンドゥを倒した 経験値を219手に入れた アクアはさらに経験値を110手に入れた』
よし、次。
『ヒナタはブーメランを投げた コノハウルに30のダメージ』
『コノハウルを倒した 経験値を169手に入れた アクアはさらに経験値を85手に入れた』
オッケー、これで先に進めるな。……ええとこのフロアには、巻物が落ちてるな。ダンジョンのレベルが上がってくると手に入る巻物の期待値も上がってくるよね。さあ、何のスキルの巻き物なんだ?
『ヒナタはディバインナックルの巻き物を拾った』
お、聞いたことのないスキルだな。ディバインナックルね。名前的には……、聖属性の攻撃スキルかな? あんまり期待はできないけど、試してみる価値はあるか。ともするとオーラの拳かもしれないし。
――
ディバインナックルの巻き物を誰に使いますか?
ヒナタ 使えません
アクア 使えません
――
……うん、まあそうだろうね。俺もアクアもそもそもの拳がないもんな。こんな翼にくっついてるちっちゃい手でそんなディバインナックルなんて撃てないよね。でも多分強いスキルなんだろうな。撃ってみたかったよ。ちなみに性能はどんな感じだったんだ?
――
ディバインナックル 聖属性正面
聖なる力を込めた拳で相手を攻撃する。
消費SP 8
――
……あれ? 思ったよりも消費SPが多くないな。汎用攻撃スキルなんだろうか? 追加効果も特になくってこの消費SPならそれほど威力も高くないな。
よし、これは売ろう。まとまったお金が手に入ったと思えばきっと嬉しいさ。多分400Gくらいで売れるはずだよ。
tips:
ダンジョン内で手に入る巻き物で習得できるスキルはダンジョンによって異なる。既に習得済みなら売ってしまうのも手だ。




