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246話 欲しいものがたくさん


 背後から聞こえたその声にヒナタたちは驚いて振り向いた。金色に輝く鎧が美しい鳥型のモンスターがこちらを見つめ優雅に微笑んでいる。間違いない。こいつが怪盗ゴルバードであろう。


「……お前が怪盗ゴルバードか」

「そうとも。私が怪盗ゴルバード。私は光るものに目がなくてね。こうして光り輝くものを集めては光で照らして楽しんでいるのさ! ほらどうだい? 中々いいもんだろう?」

「……」

「……無言とは切ないね。君たちも光るものが好きだと言うのに私の趣味を理解してもらえないとは困ったものだよ」


 そう言うとゴルバードは大袈裟にため息をついた。そのやけにはっきりとした物言いにヒナタは引っかかりを覚えた。なぜ彼はヒナタたちも光るものが好きだと確信していたのだろう。いくら考えても彼がそう思った根拠が思い浮かばなかった。


 ヒナタたちとゴルバードは初対面のはずである。少なくともヒナタの記憶にはこんな鳥モンスターは一切存在しない。会っていたら忘れるなんてことが不可能だと思えるほどに彼は存在感を放っているのだ。それは確実に言い切ってもいい。


「……ふむ、不思議そうな表情カオだね? 君たちは大方キュビクスのギルドの冒険隊ってところだろう?」

「それがどうかしたか?」

「冒険隊なんてみんな光るものが好きだろ? なんて言ったってお宝欲しさにモンスターがわんさかいるダンジョンに何度も挑むんだからね。そりゃ光るものが嫌いな訳ないさ」


 そう言うとゴルバードは狂ったように高笑いし始めた。その笑い声はこちらをあざ笑うようにも、そして何か大きなものを手にしたかのようにも聞こえるのである。それはそれは不気味な響きであった。


「まったく私は運が良い! ハープだけではない。今日は欲しいものがたくさん手に入る日だ‼︎」

「……何の話だ?」

「君たちも知っての通り私は金銀財宝、その他光り輝くものが大好きだ。そしてそれに関わる全ての噂は把握している。だからこそキュビクスのギルドにある古びたハープを狙ったのだ」

「……?」

「あのハープはとても重要な役割を持っている。あの場所に行くには絶対に必要になる超重要アイテムだ。だからこそ私は盗んだのだ。……だが、それだけでは意味がない。ハープと共に必要なものがある。それも6つ」


 ゴルバードはまっすぐヒナタを見つめている。……いや、正確にはヒナタではない。ヒナタの持つカバンをじっと見つめていたのだ。


「私の見立てが正しければ、君たちはそれを……4つ持っているはずだ。違うかい?」

「……オーブの話か?」

「ご名答。そして否定しないと言うことはやはり4つあるのか。ふふ、やはり今日は良い日だ。期せずしてオーブが4つも手に入る。……君たちを倒すことでね!」


tips:

どうやら古びたハープは重要な役割を持つようだ。そしてその役割が何なのかゴルバードは知っているようである。

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