245話 あまりにも眩しすぎる
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雷鳴の丘 9階層
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さて、9階層だな。そろそろ最上層も近いんじゃない? もうすぐ最上層って時ほど堅実に進んでいかないとね。最上層に着けばステータスが回復するのに下手こいてハートのおまもり浪費しちゃうのが一番マズイからな。
このフロアにはブルニトロがいるだけだな。壁に接してもないし通路に向かう時に接触する位置でもない。こういう場合は無理に爆発させずにスルーするのが安定だね。ええと、左右に分かれているから……、とりあえず左かな。お、きのみ発見。
『ヒナタはちからのみを拾った』
ちからのみか。それなら食うのは俺だな。
『ヒナタはちからのみを使った ヒナタのちからが1上がった』
これでよし。こういう1ずつ上がるアイテムはいくらあってもいいよね。ちょっとずつだけどステータスが尖っていくのが嬉しいや。
さて、次のフロアには……。お、階段発見。エクレールもいるな。この階層は割と早かったね。それじゃあエクレールを倒したら階段を進もうか。
『ヒナタのフレイムカッター エクレールに40のダメージ』
『エクレールのプラズマリング ヒナタに21のダメージ』
レベルアップしたからか、中々良いダメージが出てるな。次のフレイムカッターで倒せたりしないかな。
『ヒナタのフレイムカッター エクレールに39のダメージ』
『エクレールの通常攻撃 ヒナタに14のダメージ』
さすがに無理だったか。もうフレイムカッターじゃなくてもいいかな。SPの節約のためにも通常攻撃で倒すとしよう。
『ヒナタの通常攻撃 エクレールに25のダメージ』
『エクレールを倒した 経験値を189手に入れた アクアはさらに経験値を95手に入れた』
うん、倒せたね。それじゃあ次の階層へ進もうか。
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雷鳴の丘 頂上
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頂上。その表示はヒナタたちが雷鳴の丘の最上層にたどり着いたことを示していた。眩しい光に目を細めながらヒナタは周囲をゆっくりと見回していた。照らしている光は恐らく天井に提げられているミラーボールのような物体からだろう。アクアがあんしグラス越しに見た光の正体もこれで間違いない。
……なるほどね。ここが明るい理由ってのはこの球体が光ってるからか。ダンジョンの階層が照らされるくらいだからオーブの光なのかと考えだけど、全然関係なかったな。……しかし明るい、というより眩しいな。ここまで眩しくする理由はあるのか?
「この場所ものすごく、眩しいね」
「……そうだな。なんでこんなに眩しくする必要があるんだろ?」
「それは当然集めたお宝を輝かせたいからさ! 決まってるだろ?」
tips:
怪盗ゴルバードは自分の住処に光り輝くものを好んで集めている。その輝きを楽しむための努力は決して惜しまないようだ。




