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226話 行き先は闇の中


「……なるほど分かった。下がってくれ」

「かしこまりました」

「……さて、聞いていたね。君たちにはたった今からすぐに向かってもらうことになる。目的は盗られた古びたハープを取り返すことだ。……理解できたかい?」

「……ああ」

「それでは頑張ってくれたまえ。……健闘を祈る」


 さて、健闘を祈るねぇ……。ガタガタ林道近辺で奇妙な高笑いが聞こえたってのは間違いなくその……、なんだっけ? とにかくそいつがいるって言う証拠だよな。とりあえずガタガタ林道に行ってみるかね。


「ねぇ、ヒナタ」

「ん? どうした?」

「ヒショの話だと怪盗ゴルバードらしき高笑いは夜に聞こえたんだよね。だったら夜になってから探せばいいんじゃないかな」


 ……なるほど、昼間に探しても見つからないってことか。アクアがこう言うってことは昼間にガタガタ林道を探索しても怪盗ゴルバードとの遭遇フラグが立たないってことなんだろう。だったら考えても仕方ないな、夜まで待とう。……どうすれば夜になるのか知らないけど。


「それじゃあ、夜まで待つか」

「うん、そうしよう!」


 お、これでよかったのか。暗転したら探索開始だな。……あ、金庫に所持金を預けに……、無理か。暗転しちゃったな。


――

ガタガタ林道

――


 さて、夜のガタガタ林道だな。所持金を預けたりとか巻き物売ったりとかしたかったけど来ちゃったものは仕方ない。それほどアイテムには不安が無いから力尽きずに攻略できればそれでいいだろ。


 ……しかしあれだな。夜のダンジョン攻略じゃあないのか。ここって確かダンジョンの前だろ?


「話に聞いた通りに夜のガタガタ林道に来てみたけど……」

「ダンジョンを攻略するんじゃないのか?」

「いや、多分違うと思う。ガタガタ林道は何度か来たダンジョンだけどそんなに金銀財宝で溢れた場所は無かったよね。だから多分どこかに怪盗ゴルバードの住処に繋がる道があると思うんだ」


 なるほど、それでダンジョンの前にいるんだな。そしてまたメタ的視点にはなっちゃうが、ダンジョンの入り口の周囲のどこかに繋がる道があることは合ってるんだろう。そうじゃないとアクアが完全な間抜けになっちゃうからな。


 ……ただ、


「……何にも見えないね」


 そう、今は日が沈みすっかり暗くなったガタガタ林道である。昼間なら何かしら見えてもおかしくないが今のこの時間帯では何一つ手がかりとなるようなものが見えなかった。何せ近くにあるはずのダンジョンの入り口ですら曖昧なのだ。仕方ないといえば仕方ないだろう。


「ま、夜だからな」

「あ! そうだ。あれ借りてもいいかい?」

「あれ?」


 アクアは何か思いついたような表情でヒナタの持つカバンからあるものを取り出したのである。それはアクマイドが着けていたものであり必要がないからと押しつけられたもの。あんしグラスである。



tips:

あんしグラスがあれば暗い場所でもいつものように行動が可能だ。

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