221話 リスクを伴う
となるとひとまずやることは俺のSPの回復だな。さすがにSP6では何にもできない。せっかくポイズンアローでダメージが稼げるんだからそれは使わなきゃ損だろ。アクアの行動は……、攻撃かな。
『ヒナタはスイートメープルを使った ヒナタのSPが50回復した』
『アクアは目を覚ました』
『アクアのアクアウェーブ かなり効いている アクマイドに27のダメージ』
『アクマイドの通常攻撃 アクアに18のダメージ』
『アクアの代わりにハートのおまもりが砕け散った』
お! アクアウェーブじゃなくて通常攻撃だったか。アクアは力尽きちゃったけど、俺へのダメージが無いのは美味しいな。アクアが起きてくれたからダメージが稼げたのも大きい。
とはいえ次のターンアクアウェーブが来てもやっぱり困るんだよな。バブルスキン状態でダメージが抑えられるとは言ってもダメージはしっかり痛いしどこかでは回復しないといけない。
……どうせ回復するならいっそ次のターン攻撃に転じてみるか? マーメイドララバイだけ怖いが、結構得策かもしれないぞ。……ふふ、やってみようか。
『ヒナタのポイズンアロー かなり効いている 4回当たった アクマイドに32のダメージ』
『アクアのアクアウェーブ かなり効いている アクマイドに26のダメージ』
『アクマイドを倒した 経験値を1984手に入れた ヒナタはさらに経験値を992手に入れた』
アクマイドを倒した。そんなメッセージと共にヒナタたちに大量の経験値が入った。けいけんのたてによりさらに追加で手に入った経験値はボス戦だけあってかなりのものである。
そして視界が明転し全員が戦闘前の配置に戻り、やはり赤く光るリングが現れたかと思うと消えたのである。
「……ふぅ、まさかこの私が倒されるとはね」
「ハートのおまもりか?」
「ええ、そうよ。もしも倒されてしまった時の用にね。……脱出用の脱出リングも用意してあるわ」
「脱出リングを?」
「オーブをそのままの状態で守るというのはそれなりのリスクが伴うのよ。あんたたちみたいに素直に戦いを終えてくれるものばかりならそう苦労はしないわ。さ、あんたはこのオーブが欲しかったんだろ? 私の気が変わらないうちにさっさと取りな」
それなりのリスク。アクマイドが言ったその言葉にヒナタはどこか引っかかりを覚えた。だがオーブを手に入れるまではそれについて聞くことはどうやら出来なさそうである。
ヒナタは素直に龍の掌像に近づくとそこにあるインディゴオーブを手に取った。
『ヒナタはインディゴオーブを手に入れた』
tips:
インディゴオーブ
真実の虚構で見つかった藍色に光る宝玉。




