217話 戦闘アクマイド
「……ああ。ここのどこかにインディゴオーブがあるはずだ」
「そうだね。そういえば、トップはあの時古い友人がインディゴオーブを隠し持っているって言ってたっけ。……いったいどんなモンスターなんだろう?」
あぁ、……そうだったな。そして強敵ではあるけど倒せなくはないとも言っていたな。ここからボス戦、気を引き締めていかないと。
……さて、古い友人ってのはあいつのことかな?
正面を向くヒナタには龍の掌像とインディゴオーブ、そしてそのそばに1体のモンスターが立っているのが見えた。そのモンスターはサングラスのようなものをその目にかけてこちらをじっと見つめていた。それのせいで表情がやや掴めないが、完全に敵対したようには不思議と思わなかった。
「……まったく、あいつも厄介なことをしてくれるね。私は別に戦いたくてこんなところにいるんじゃないんだが。……あんた、これが欲しいんだろ?」
「……ああ」
「それじゃあ、……戦わないとね。あいつからの客だ、加減はしないよ!」
……戦闘開始だな。こいつの事前情報は一切ない。今の段階では名前すら分からない。分かっていることは1マス離れた場所にいるってことだけだ。
見た目は……、堕ちた人魚って感じか? 水属性とあとは闇属性も持ってるかもね。まあ、どんなボスモンスターが相手でも最初にやることとしてはひとつしかないんだけどな。
『ヒナタはとがった石を投げた アクマイドに20のダメージ』
『アクアのバブルスキン アクアはバブルスキン状態になった』
『アクマイドのバブルスキン アクマイドはバブルスキン状態になった』
げ、向こうもバブルスキン状態なのかよ。これはダメージがあんまり期待できなくなったな。モンスターの名前はアクマイドね。……って言うかバブルスキンってことはやっぱりこいつ水属性じゃないか!
まあ、それは薄々思ってたけどな。見た目思いっきり水属性だし、大体水属性モンスターばっかりのダンジョンのボスはそりゃ水属性か。これだけ見た目通りなら闇属性持ちってのも合ってるかもね。
ダメージが期待できないのなら固定ダメージで攻めるしかないよな。とりあえずまだ1マス離れているからとがった石を投げようか。……そういやバブルスキン状態ってダメージ半減だったよな。固定ダメージも半減されるのか?
『ヒナタはとがった石を投げた アクマイドに20のダメージ』
お! ちゃんと固定ダメージだ。そしてアクマイドが距離を詰めてきたな。これで本格的に戦闘開始だな。ま、最初に40ダメージを稼げたってのは結構大きいんじゃない?
tips:
アクマイド
かつては凄腕の冒険隊だったが今は引退しているようだ。攻撃スキルの他状態異常も狙ってくる難敵だ。




