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187話 この唸り声が聞こえるか


 うぉ⁉︎ さらに雰囲気が変わったな。周囲の色が変わったって言うよりは光り始めたと言うべきか。……正直言って眩しい。

 まあ、最下層に近づいてると考えれば悪くないか。先へ急ごう。お、きのみが落ちてるな。


『ヒナタはしんぴのみを拾った』


 しんぴのみか。……確かSP上限を増やすきのみだったか? どっちに使ってもいいな。…………俺にしておくか。


『ヒナタはしんぴのみを使った ヒナタのSPが1上がった』


 よし、進もう。次のフロアには何があるかな? ……お、お金が落ちてるね。ラッキーラッキー。……お? しかもおとしあなスイッチもあるじゃん! 

 良いね。お金も手に入りつつ階層移動もできるなんて最高じゃない。遠慮なく使わせてもらおう。


『ヒナタは98G拾った』


『おとしあなスイッチ発動! ヒナタは落とし穴に落ちてしまった』


――

断崖の空洞 深層 地下11階層

――


『ヒナタは落とし穴に落ちてしまった ヒナタに10のダメージ』


 ダメージなんてあってないものだからな。どうせ10ダメージではHPは無くならないし。階層移動ができるなら階段と一緒だよ。周囲に敵モンスターがいないなら尚更ね。

 ……ところでこの階層……、何か変だな。


 ヒナタは周囲に敵モンスターがいないことに安心し改めてフロアの様子を確認したのである。そして違和感に気付いたのだ。


 階層の雰囲気自体は変わっていない。なんの変哲もない少し広めのフロアである。


 違いがあるとすれば通路。普段なら1マス分の通路が空いているのだが、ヒナタの目の前にある通路はどう見ても3マスほどの大きさがあった。今までこんなに幅広い通路はダンジョン内では見たことがない。

 何かあるに違いない。ヒナタは周囲を注意深く見渡してから慎重に前に進み始めた。


 ……何かあると思って慎重に進んでいるんだが、何も起こらないな。……そんなことあるのか? この雰囲気で何にもないってのは流石に無さそうなんだが……、階段だな。これはあれか? 次のフロアで最下層、つまりボス戦だから気を引き締めろってことか? 

 

 とりあえず進もう。階段を降りれば分かるはず……


「……そういえば、中継地点で聞こえてきた唸り声ってなんだったんだろうね?」


 不意に後ろからアクアの声がした。フィールドでは何度も聞いた声だがダンジョン内では一切聞いたことのない声である。故にヒナタは信じられないという表情で後ろを振り返った。


「……え?」

「あれ? ヒナタには聞こえてなかったのか?」


 ……いや、それは聞こえてたけども。ダンジョンの途中で声をかけてくることなんてなかっただろ? ……つまり今の会話はイベント? 来る。……何かが来る。


「……あれ? 地面が揺れてる?」

「……グォォ、……グォォォォ‼︎」

「あ! まただ。ほら聞こえるだろ? この唸り声だよ」


 ヒナタはアクアのその声に答えることができなかった。理由は簡単である。答えようと口を開いた瞬間に地面が割れたからである。

 二度目となる長い浮遊感を感じながらヒナタたちは地底の底へと落ちていった。


――

断崖の地底湖

――


tips:

断崖の地底湖

断崖の空洞最下層に広がる広大な湖。まるで何かから守っているかのように時折唸り声が聞こえる。

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