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158話 暗闇にぼんやりと光る館


 ギルドの裏道? ……ということはトップの部屋がどこかに通じているということか? ……しまったなぁ、こういうイベントって分かってたら金庫に行くとか、倉庫に預けに行くとかしてから進めてたのにな。

 ここから引き返すっていう選択肢は残念ながら無しだ。一度本棚を動かしてしまった以上後戻りはできないと思った方がいい。覚悟を決めて進むとしようか。


 ……と言ってもモンスターが出るような場所でも無さそうなんだよね。見る限り一本道だし。ただひたすらに長いから自分が今どの辺りまで進んでいるのか分からなくなるくらいで、後は特に不安もないかな。……お、最後まで進めたみたいだな。…………洋館?


 暗くてよく見えないがギルドの裏道の終着点は目の前にある古びた洋館のようだ。見る限りではキュビクスのギルドに似た建物のように見えるが、細部まで同じかは残念ながら視認できなかった。

 朝、もしくは昼ならばもっとちゃんとみることができただろうが、進んでいるうちにいつの間にか夜になっていたらしい。暗闇の中でぼんやりと光るその洋館はいくばくかの恐ろしさを醸し出していた。


「……この洋館は何だろうね」

「……それは俺にもよく分からない。そもそも今俺たちは地図で言うところのどの辺りにいるんだ?」

「うーん、結構歩いたからどの辺りなのかは分からないや。せめて地図に何か書いてあればいいんだけど、ワンダー・マップには洋館らしき建物は記されてないんだよね。……まあ、来たことのない場所だから当たり前のことなんだけどさ」


 アクアの話を聞きながらヒナタはヒショから受けた説明を思い出していた。確かに地図の説明をしていたヒショがそんなことを言っていた気がする。となれば地図はあまり役に立たない。結局ここがどこなのかは分からずじまいである。


「……ただ」

「ん?」

「多分だけど……、この洋館の中はダンジョンになってるんじゃないかな?」


 アクアは洋館の入り口……ではなく、その横辺りを見てそう言った。目を凝らして見てみるとヒナタにもそれが視認できた。あれは間違いない。……転移ポータルである。どうやらアクアの言う通りあの洋館の中はダンジョンになっているようだ。


「……行くしかないよな」

「そうだね」


 いやぁ、まさかギルドの裏道を通ればダンジョンにたどり着くとはな。凄いところにギルドを建てたものだよ。ギルドを建てるときにここにダンジョンがあることは絶対分かってるはずだよな。

 ……ギルドからトップがいなくなり、トップの部屋から繋がった道を進めばここにたどり着いた。……間違いなくこの先にトップがいるんだろうね。このダンジョンの中でなにが待ち受けてるかは分からない。けど、まあ行くしかないだろ。


――

閉ざされた館 1階層

――


tips:

閉ざされた館

昔何かに使われていたらしい洋館。持ち主がいなくなりすっかり寂れてしまいモンスターたちが蔓延るダンジョンと化した。

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