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123話 気のせいではない


 1発でクリティカルヒットが出せるってことはその確率は結構高いと思うんだよな。少なくとも10%とかそういう世界じゃない。数値を割り出すためにサンプルがほしいところだけど、さすがにランダムで発動されるスキルでそれを割り出すのは無理だな。素直に調べた方が絶対に早い。

 とりあえず今回の収穫は闇属性に対して聖属性が相性が良いことと、アイシクルショットでクリティカルヒットは狙えるくらいの確率ってことだな。


 それじゃあ先へ進もうか。……ええと、このフロアにはアイテムが2つだな。


『ヒナタはこんがりクロワッサンを拾った』


『ヒナタは91G拾った』


 ……気のせいかな。こんがりクロワッサンが多い気がする。というかこんがりクロワッサン以外のアイテムをまだ見てない。……多分気のせいだろ。フロアを移動しよう。……お、階段だ。


――

森の小道 3階層

――


 ……。


『ヒナタはこんがりクロワッサンを拾った』


 気のせいじゃないかもしれない。これはもしかして……、仕様? 短いダンジョンならこんがりクロワッサンの入手率が異常に高くても別におかしな話ではない。長いダンジョンを攻略するために近くの短いダンジョンで回復アイテムを補充しておけっていう話だ。

まあ、手に入るんだったらSPを回復するスイートメープルも同じくらい出てほしいものだけどな。HPがあっても SPがないと結局戦闘がジリ貧になるし。……手に入ってるんだしあまり文句は言わないでおくか。お、階段発見。


――

常夜の森

――


 辺りが急に真っ暗になった。どうやら生えている樹の種類が変わったらしい。周囲の樹は暗い色の幹と真っ黒な葉っぱをしており、それは上空を覆い尽くすかのように生い茂っていた。といっても木漏れ日は皆無ではない。僅かな木漏れ日によってここから続く道が確認できた。転移ポータルはもう少し奥にあるようだ。


「こんなに暗いとは思わなかったな。あんしグラスを持ってくるべきだったか」

「あんしグラス?」

「ああ。暗いダンジョンでもある程度の視界が確保できる装備品のことだ。こういう暗くて見通しの悪いダンジョンを攻略するのに役立つアイテムだよ」


 ……なるほど、装備品か。表記を見る限りここは森の小道の最上階だろうとは思っていたんだが、ヒショはこの先にダンジョンが続いてると考えてる訳だ。……まあ、そうだろうな。俺もそう思う。


 ヒナタたちが到着した転移ポータルの横には暗い空間が続いていた。どこまで続いているか判別ができない。暗い暗い森である。そしてその近くに転移ポータルがある。間違いない。ここはダンジョンの入り口である。


 ……見るからに不気味なダンジョンだな。恐らくだが、この先にはダンジョンが続いている。名前は……、常夜の森かな? どう考えても暗いダンジョンだからヒショの言うあんしグラスが無ければ攻略は難しいだろうな。つまり今は無理だ。手に入れてからまた来よう。それじゃあ転移ポータルでベースキャンプに戻ろうか。


 こうしてヒナタたちはダンジョン森の小道を踏破し新たなダンジョンの入り口を見つけベースキャンプに帰還したのである。



tips:

あんしグラス

かっこいい黒いサングラス。ダンジョンの暗さに関わらず一定の視界を保つことができる。

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