裸族VS裸族! 最強の男はどっちだ!? 子孫繁栄を賭けた男たちの熱いバトル! ♪股の葉を〜むしるのは〜あなた〜!♪
オチもアソコも丸見えな展開ですけど、思いついちゃったんだからしょうがない。
バトルシーンのBGMは、和田アキ子氏の『あの鐘を鳴らすのはあなた』で、お楽しみください。
疲れたあなたの癒しになれば幸いです。
マタハッパッパー族のカユカユとボリボリはライバル同士。
会えばいつもケンカばかり。
ケンカの理由はいつもくだらないものばかり。
狩りの獲物はどっちが大きかったとか、背はどっちが高いとか、アソコはどっちがデカいとか。
今日のケンカの原因は、部族の女子の中で一番かわいいピラピラを、どっちが彼女にするかの取り合いだった。
カユカユが言った。
「今日という今日こそ、どっちが本当に強い男か、決着をつけようぜ、ボリボリ」
ボリボリが答えた。
「へっ、奇遇だな! オレもちょうどそう思ってたところだったぜ!」
カユカユが言った。
「なら、真剣勝負で勝った方がピラピラを彼女にする。それで文句ねえな?」
ボリボリが答えた。
「おう! モチロンだぜ! で、何で勝負するんだ?」
カユカユが言った。真剣な顔で。
「決まってる……。男同士の真剣勝負……。バリベリ・ギャギャギャだ……」
ボリボリは息を飲んだ。真っ青な顔で。
「……バリベリ……ギャギャギャ……だと……!?」
カユカユは、青い顔のボリボリを見てあざ笑った。
「なんだ? 怖いのか? 嫌ならいいさ、お前はバリベリ・ギャギャギャに恐れをなして逃げたってみんなに言いふらしてやる!」
ボリボリは震える声で叫んだ。
「ビ……ビビってねえよ! い、いいのか……? お前だって……ただじゃ済まねえぜ?」
カユカユは笑った。余裕だ。
「はは! 震えてんじゃねえかよ! ならオレの勝ちだな! お前にはピラピラじゃなくて、パカパカがお似合いだぜ!」
ボリボリは怒った。どうしてもピラピラを彼女にしたかった。
「なめんな! やらねえなんて誰も言ってねえだろ! 受けて立つ! 上等だ!」
ここで説明しよう!
バリベリ・ギャギャギャとは!
ミチャイヤの葉の裏側に、セ・メダイの樹液をたっぷりと塗り、それを己の股間にべったりと貼り付ける!
争う両者は、相手の股間に貼りついたミチャイヤの葉を、なるべく思いっきり、あえて苦痛を与えるように、一切の躊躇も手加減もなく、無慈悲に剥ぎ取るのである!
この勝負の鍵は、なるべく早く決着をつけること!
時間が経てば経つほど、セ・メダイの樹液は固まり、ミチャイヤの葉は剥がれにくくなってしまう!
つまり、決着がつきにくくなるうえに、勝負がついた瞬間に受けるダメージが増大してしまうのである!
果たして二人の運命は……!?
勝つのはカユカユか!? はたまたボリボリか!?
二人の戦いは、これからだ――――!!
続く――――!!
と見せかけて、ちゃんと続きは下にあるのであった!
「すぐ終わらせてやる……」と、カユカユ。
「なめんな! いくぜ!」と、ボリボリ。
二人の戦いの火蓋は、今まさに切って落とされた――!!
Ready……GO!!
ザッ!!
先に仕掛けたのはカユカユだ。
強靭な指と爪で地をすくい、土をボリボリの顔めがけて飛ばす。
マタハッパッパー部族伝統の武術、【百八式・土払】だ。
しかしボリボリは、それを読んでいた!
「おっと! こんな子供だましが効くと思うなよ! 遊びのつもりか!? ……股間が――ガラ空きだぜ!」
ボリボリも負けずにマタハッパッパー族伝統の【百十四式・荒掴】を繰り出す。
しかし、カユカユも絶妙な腰さばきでそれをかわす!
ボリボリの指はわずかにカユカユの葉をかすめるにとどまり、カユカユのミチャイヤの葉は、ボリボリの風圧によって、わずかにそよいだ。
その後も二人の死闘は続く。
お互いに【百式】や【外式】や【裏百八式】なんていう、よく分かんないけどなんかすごい技を出したり出されたりしながら戦い続けた。
二人の体はすでにボロボロだったが、なぜかミチャイヤの葉だけは瑞々しさを保ったまま、二人の股の中心で己が存在を誇っていた。
さすが代々マタハッパッパー族の死闘を股から見守ってきた由緒ある葉だ。
いやしかし、ここはミチャイヤの葉の頑丈さだけでなく、やはりセ・メダイの樹液の粘着力の強さも偉大といえよう。
強靭な葉と樹液によって股間を守護された男たちの、熱い戦いは続いていた。
状況は、カユカユが優勢だった。
近接戦闘が得意なボリボリに対し、中距離技を豊富に持つカユカユは、間合いを十分に保ったまま、着実にボリボリの体力とミチャイヤの葉を追いこんでいった。
ボリボリのミチャイヤの葉は、堂々たる張りを失い、いまやヘニャヘニャにしなびていた。葉の原型はかろうじて保ちつつも、その下にあるボリボリの形を、はっきりと浮き上がらせるほどに弱々しくなっていた。
勝利を確信したカユカユが吼えた。
「遊びは終わりだ! 泣け! 叫べ! そして剥げろ!」
そして大技を繰り出す!
超大技! 【裏千二百七式・葉削】――!!
しかしボリボリは回避した! カユカユに向けて先程避けられた【百十四式・荒掴】をカウンターでお見舞いする!
「うおおおおおおお! 食らいやがれええええ!!!」
ボリボリの手が、しっかりとカユカユの股間をわしづかんた!!
バリベリベリバリ――――っ!!!
ついにボリボリが、カユカユの股間の番人であるミチャイヤの葉をむしり取った!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ……っ!!」
この世のものとは思えないほどの絶叫がこだました。
「……こ、このままでは終わらんぞぉぉぉぉ……!!」
カユカユは最後に捨て台詞を残すと、あまりの痛みに意識を失った。
この勝負、ボリボリの勝ち!!
真っ赤に腫れ上がった股間をむき出しにして、大の字でノビているカユカユを、どこか憂いのある勝者のたたずまいで見つめるボリボリ――。
「……ケリは……つけたぜ……」
そして、はたと気づく。
勝者であるはずの自分もまた、戦いを終えた後に、この股の葉を取らねばいけないのだということを――。
恐る恐る、剥がそうと試みた。
しかし、勝ちに執着するがあまり、大量のセ・メダイの樹液を塗ってしまったことが災いした。
長い戦いによって、カッチカチに硬化したセ・メダイの樹液は、容易にボリボリからミチャイヤの葉を別れさせてはくれなかった。
ボリボリを恐怖が襲う!
(……ど、どうする……? すげえ、痛えんだけど……! どうやって取ればいいんだ?
これ、剝げるのか? それともオレは……もしかして、一生このままなのか……?)
絶望がボリボリを襲う!
どれだけの時間が経ったのだろう。
「おい。……お前、怖いんだろう?」
いつの間にか意識を取り戻したカユカユが、ボリボリへ声をかけた。
「う……っ、えぐ……っ、だって……もう……これ、カチカチになっちまって……っ、絶対に、もう……剥がれねえよおっ」
ボリボリは涙と鼻水で顔がグシャグシャになっていた。
「しょうがねぇな……オレが手伝ってやるよ……。このまま帰るわけにはいかねえだろ? バリベリ・ギャギャギャしたことがバレちまう。ほら、こっち来いよ」
心が打ちひしがれていたところへ、カユカユの優しい言葉がひどく沁みる。
「……あ、ありがと……。でも……痛く……しない……?」
ボリボリが潤んだ瞳でカユカユを見つめた。
「ちっ、しょうがねぇな。……や、優しくしてやるから……。ほら、こっちに股向けろよ……!」
カユカユは、赤くなった顔を隠すようにボリボリからそむけ、ぶっきらぼうに言った。
ふだん生意気なやつが、急にしおらしくなるギャップに、思わず胸がキュンとなってしまった。
「分かった……。じゃあ……やってくれ……!」
覚悟を決めたボリボリは、無抵抗のポーズでカユカユに身をゆだねた。
「……いいんだな……?」
カユカユはゆっくりとボリボリの股間に手をのばす。
ボリボリは目をギュッとつぶったまま、きたる瞬間に備えた。
「…………クックック、ハッハッハ、ハーッハッハッハ! くたばりやがれぇぇぇえ!!」
まさかのカユカユは、三段階高笑いとともに、非情なほど容赦なく、ボリボリの股間のミチャイヤの葉を引っ剥がした!!
バリベリベリバリ――――!!
「うぎゃあああぁぁぁぁあ!!」
その日一番の、恐ろしい悲鳴が響き渡った。
敗者復活戦、カユカユの勝ち!
よってこの勝負……引き分け!!
そして――。
決闘を終えて家に帰った二人は、お父さんとお母さんに、死ぬほど怒られたのであった。
なぜなら、バリベリ・ギャギャギャは、毛の生えた大人でなければ、危険すぎてやってはいけない、子供には禁断の儀式なのだから――。
二人のツルツルのゾウさんがヒリヒリ地獄から回復するには、数日の時を要するのであった。
葉を見るたび思い出せ!
かつて二人の裸族の少年が、愛しい女性を賭けて禁忌を犯し、繰り広げた死闘のことを!
葉を見るたび思い出せ!
最強の戦士を決める戦いが、今もどこかで行われているということを!
二人の戦いは、これからも続く!
めでたしめでたし。
あと、良い子は痛いのでマネしないでね♡
もしかしたら続くかもしれません。