徹夜ハイテンション
VRMMORPGは完全な初心者なので見苦しいかもしれません。そういう方は悪いことは言わないのでブラウザバックをお勧めします。それでもいいという方はゆっくり見ていってください!
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舞台は別世界が実在することが発覚し科学が進歩して主にAI、VRの性能が向上した地球。そこでは期待の新作VRMMORPG「Success to Profession Online」通称「SPO」の開発が進められていた。その開発陣の中のとある1人に予期できないハプニングが襲いかかるとは誰も思わなかった。
「やっっっっとHP制作が終わった!!!」
「お疲れ様です。それで、完成したものって見せてもらえたりは?」
「ふっふっふ、別に構わない。最高傑作だからな!」
俺はSPOのHP作成担当主任摘田圭翠、抽選販売の1週間前までに仕上げろとの命令が下ったせいで現在3徹中だ。だからこのテンションも納得がいくと思う。
SPOのHP作成担当とはいうが情報は最低限しか聞いていない。というか俺からそのように頼んだ。なぜなら俺もSPOをプレイしたいからな、攻略情報は詰まった時に見たいんだ。
「ふむふむ、ではこれを本部に提出してきますね。あ、奥さんによろしく伝えておいてください。そしてこれもお土産として。」
「お、いいのか...ってSPOじゃないか!しかも俺の分まで!まだ発売もされていないのにいいのか!?」
「上がそのように判断したってことはそういうことじゃないですか?サーバー開けるまでは結局できませんし。テストプレイは終わってるらしいので動作に問題はないそうです。」
これはラッキー。俺には同い年の奥さんがいてあいつもゲーム好きでな。SPOの会社に入社した時はとても喜んでいたな。
ちなみにSPOの抽選販売は2万個、抽選者は日本在住限定ではあるがそれでも300万人以上が現在申請している。超特急でHP作成を進めたおかげで抽選販売まで後1週間半あるがここからどれだけ増えるかわかったもんじゃない。
「それじゃありがたく貰うとして俺は寝させてもらう、その前に郵便でこれを家に送る手続きしてくるから人が来たら説明頼んだ。」
「わかりました、事故には気をつけてくださいねー。」
「おう。」
「ありがとうございました。」
会社から最寄りの郵便局を出ると空は赤色に染まっていた。まあその感傷に浸る余裕もないほど眠気に襲われているが...とりあえずさっさと会社へ戻ろう。4日ぶりの睡眠のために。ちなみに俺の分は送っていない。
・・・ん?あの女の子何か見覚えが...うーん思い出せん。というか頭が回らん。あれ、その信号は今赤...って!
「危ない!!」
「えっ?」
車が迫ってきているのを見て反射的に体が動いたのかその女の子の身代わりとなって俺が車に轢かれた。そこから体が潰されたような嫌な感触を残して意識が飛んだ。
何故か目が覚めると五体満足で何もないまっさらで真っ白な空間にいた。ちょっと夢にしてはリアルなんだが、というか感覚まであるのか。
「目が覚めたようですね。」
その声のする方向に振り向くと言い方は悪いが俺が突き飛ばした女の子がいた。まさか彼女も助からなかったのか?
「あ、そんな顔しなくて大丈夫です!私があなたの魂をここに呼んだだけですし...」
・・・は?
「時間が少ないので軽くですが自己紹介を、私はあなたたちが作り出したSPOの世界の住民であるアリシスと言います。あの事故から助けていただいたお礼...となるかは分かりませんが摘田さん、あなたをSPOの世界に転生という形でご招待します。」
・・・なるほど異世界転生ですか、大したものですね。とか思ってる場合じゃねー!
状況を整理すると
・俺はアリシスを助けて死んだ
・そのお礼としてSPOの世界に転生という形で生き返る
これもうわっかんねぇな。
「転生はだいぶ譲歩して納得するとしてSPOはゲームだったよな?ということは俺はプレイヤーとしてかNPCとしてかのどっちなんだ?」
「内部判定、システム上はNPCですが権限はプレイヤーと同じです。ただし死んだ場合はプレイヤーと違いキャラロスト、あなたからすれば実質的な死です。」
はーんそういうことね、いのちだいじにってことか。そこら辺は問題ない、俺のプレイスタイルはノーデスがモットーだからな。ゴリ押しやステータスの暴力は大好きだが。
「といっても初回だけは生き返ることができます。いきなり訳のわからないところで死なないように過ごせって無理がありますし。それと運営側は心配しなくていいですよ、こちらから話は通すので不自由なくプレイヤーと同じように過ごせます。」
救済措置あるのか、不慮の事故やガバで死ぬことはありがたいから素直に利用させてもらおう。
なんかアリシスから不穏な空気がしたのは気のせいだと思っておこう。バグと判断されて消去のオチだけは勘弁だ。
「ある程度はわかった。最後になんでゲームの中の存在であるアリシスがこの地球にいたんだ?」
「・・・付喪神と同じようなものです。人々が楽しみにしている、制作への熱情、いろんな想いが混じり合うことで1番認知度が高い私が実現となりました。普通では信じられないものとはわかっていますけどね。」
そうアリシスははにかんだ。その顔に内心どきっとしたが俺にはあいつがもういる、いや俺はもう死んだからいたの方が正しいか?だからといって浮気するつもりはさらさらない。
「あっそろそろ時間です。課金に関してはクレカ経由で貯金から下ろすので安心してください。」
「雰囲気ぶち壊しじゃねーか!!」
「流石に露骨でしたかね?」
今ので緊張全部吹き飛んだよ、いい意味でも悪い意味でも。ま、この会社は結構でかい方だからお金に不自由はしてない。常識の範囲内で思う存分楽しませてもらう。
「それではキャラメイク開始と同時に戻りますね。ゲーム内であったらよろしくお願いします。」
そう言い残してアリシスは消え、少し見覚えのあるキャラメイク画面が浮かんだ。
「・・・さて、ゲームスタートといきますか。」