世界の果てにある、小さな部屋に閉じ込められる。
僕はある日、何処だか分からない小さな部屋に閉じ込められてしまった。
それまでの僕の生活はごくごく平凡なモノで、、、。
地味というか? 代り映えしない毎日を過ごしていた。
そんな僕が、急に閉じ込められる。
・・・昔、僕のおじいちゃんに聞いた事があった。
世界の果ての何処かに? 小さな部屋があるんだと。
その部屋に閉じ込められると? 次の者が入って来るまでは出られない。
そこでは、何もかもが合理的で食べる物や要るモノは気が付けば
部屋の中に置いてあるんだ。
日常品や雑貨など何でも僕が望むものは部屋のあちこちに置いててくれる。
でも? 何処から荷物が来て誰が持って来たモノかは分からない。
僕は一睡もせずに、荷物が届くのを見張っていた事もあったが、
結局少し目を離した間に荷物は部屋に置かれていた。
【この荷物は、何処から届くのだろう? そして誰が持って来る
のだろう?】
・・・僕の疑問は尽きなかった。
何度も試した事ではあるが、外へ繋がるであろう扉を開いても結局
隣の部屋に繋がったり、外へは一歩も出る事ができなかった。
僕は、迷宮になっているこの部屋で一生を過ごすのかな?
一人で虚しく死んでいくのか?
僕には、少なからず幸せな家族がいた。
父と母と弟の4人家族。
僕は、18歳の時に実家を後にする。
家族と離れることは、寂しかったがそれより自立をしたかったからだ。
それでも? 1年に数十回は実家に帰るようにしていた。
僕の弟も、僕と同様に実家に頻繁に帰っていたと思う。
そんな僕の小さな幸せも、もう二度と家族に会えないと思うと?
凄く悲しくなった。
僕は、部屋の中に一日中居ると? ストレスを感じると思い
出来るだけ、部屋の中でも運動するようにしていた。
その為に、僕は、トレーニング器具を何度も家に届くようにお願い
するようになった。
物が大きく高級になればなるほど、誰かが荷物を2.3人がかりで
持って来るんじゃないかと僕は思い荷物が届くのを見張っていた。
それでも、あっという間に荷物が部屋の何処かに届いてあるんだ。
段ボールにキレイに梱包されて送られてくる荷物。
住所は、ここの住所なのだろうが? 場所が何処だか特定できない!
グーグルマップでも、ここの住所の場所が見つからなかったからだ。
電話番号も書いてあったが、電話を何度かけてもアナウンスになり
結局、埒が明かなかった。
粘って最後の最後までアナウンスを聞いていたが、人が電話に出る気がしない。
確かに、ここに居れば何不自由なく生活ができたが、家には帰れないし
外に出る事も出来ない!
ここでは? 食べる物や寝る場所、欲しいモノも何でもあったにもかかわらず
僕の心は、何をしても満たされなかった。
それに? ここでは、“時間に一切縛られる事はなかった”
何年の何月何日なのか? 今の時間は何時なのか? 何にも分からない。
僕は、随分とここに居るけど? 幾つになったのだろう。
僕には、あっという間の事でいつからここに居るかもう分からなくなっていた。
・・・そして今日も、僕はこの小さな部屋に閉じ込められている。
でも? 今日は一つだけ違った事があった。
それは、僕の小さな部屋に突然! 【来客】が来た事だ。
彼もまた、僕同様に何処からここに来たのか分からないみたいだった。
そして、僕はこの部屋からやっと家に帰れる日がやって来る。
『ごめん、随分と心配させたね! 父さん、母さん!』
『・・・えぇ!? 貴方は、どなたですか?』
『僕の事を憶えてないの?』
『・・・・・・』
最後までお読みいただきありがとうございます。




