表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生して白魔になったら案内役が剣聖だった件~俺、美少女が良いって言いませんでしたっけ?~  作者: コロンビア山内
1章 黒髪ロングで皇帝補佐官の僧侶様は好きですか?
8/9

赤魔と俺と精霊騎士03

 結論から言うと、龍倒れるまで2時間ちょっとかかった。

 その間、おイザベルは龍に毒を盛る魔法を使ったり、また全身を焼き払ったり(これはダメージを与えているわけではなくて、大火傷させているらしい)などしていたし、ロートハルトは手慣れた様子で範囲攻撃を切り伏せて捌いていた。



 そして、俺は特に何もしていなかった。普通に、足手まといだった。なるべくロートハルトの近くにいるのが安全だった。

 最後恐らく毒のスリップダメージで倒れたと思われる龍に、若干同情した。現世でホイホイでゆっくり命を落とすあの虫を思い出した。









「そう、そこに名前書いて。何?生まれ年?良いわよそんなのテキトーで。どうしてもならロートハルトと同じのを書いておきなさい!」


 龍退治から数日後、正式にアンタたちを雇います!と宣言したお嬢が持ってきたのは2枚の紙だった。(ロートハルト曰く)王族のみが使える契約書だというその紙に名前など諸事項を書くと契約が成立。主従として軍団パーティー入りする。これに違反することは罰を伴うそうだ。


「いやー、白魔アンタ1人いると楽になりそうね。これからは治療だって仕事として請け負えるし!」

「請け負うの俺なんですけど!?」

『諦めろ、クロード。お嬢様の言う事だぞ。』

「そうよ、私のいう事よ?」


 特に何をしていたわけではないが、あの龍を倒したことで経験値が俺にも入ったのだ。あの後、頭の中に閃いたのは回復術ヒールだった。念話テレパシー以外にも魔法らしいものが使えるようになったのは大変喜ばしい。しかし、俺より喜んだのはおイザベルとロートハルトだった。どうも、この白魔法使いというのはどれだけ数がいてもいすぎるという事はないらしい。日々の小さなケガから戦闘での重症まで____、が目下の目標だ。


『精霊として戦うのにもだいぶ慣れた。次はあの位の龍なら単騎で討伐したいな!な、()()()()!』

「いやいや、もうデカい獲物はしばらくおなかいっぱい!」



 もう1つ変わったことがある。

 戦闘中の売り言葉に買い言葉、「名前変えないか?」「龍倒せたらな!」はどうもロートハルト的には立派な報酬と対価だったようで。彼は龍退治の報酬の分け前で改名機ネームチェンジャーを購入して俺に渡してきた。



『クロダ……クロ……うーん。』

「ノアなんかはどう?同じ"黒"よ?」

『____いや、決めた。クロード。クロードだ!昔にそういう王がいたと文献で読んだ。縁起の良い名前だ。』


 まあ、俺も剣と魔法のファンタジー世界で「黒田」という日本語名を背負うというのもイマイチ冴えないなと思っていたのもあり。




こうして。




 白魔法士クロードとして今度こそ人生2回目を開始したのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ