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異世界転生して白魔になったら案内役が剣聖だった件~俺、美少女が良いって言いませんでしたっけ?~  作者: コロンビア山内
1章 黒髪ロングで皇帝補佐官の僧侶様は好きですか?
1/9

その男、精霊騎士1

「…………?」


 月の光の下、長い黒髪がふわりと揺れる。

 スレンダーだが長身のその体は引き締まっていて、無駄なところが一切ない。

『美人だ』_____、月並みな言葉だが、俺はその人を見てそう思った。中学生の頃に夢中になって遊んだRPGが思い出される。


「______私は、一体___?」


 その声は鈴を転がしたかのような()()で____。

 俺は地面に膝をつき、天にいるであろう神を仰いでこう言った。


「詐欺だ!!!!」




 ___________




「終わった……。」


 黒田史郎21歳。Fラン大学生。

 午前3時28分、自室。エンターキーを押して、名前を付けてUSBに保存。

 ここまで長く苦しい戦いだった。BPM120で動く心臓を落ち着けるため見慣れた緑色の缶を煽る。ありがとう、お前には何度も助けられた。

 しかし、空き缶を机に置いたその時、心臓に鋭い痛みが走る。


「ウッ_______!!!」



「という訳でお前は死んだのじゃ」

「わが生涯、一片の悔いあり!!!!」


 シャウト。

 こんなことがあってたまるか。俺は結局、完成させたレポートを提出できなかったのだ。

 見渡す限り白い空間の中央に置かれたこたつで蜜柑を向きながら、「神」と名乗った爺さんはそう言った。あまりにも理解を超えた空間で、それも前後に心当たりしかないとあらば信じる以外の道がない。


「で、来世はどうする?TS悪役令状?それともカンスト無双系?

 ここにパンフレットあるけど、ここから選んでみる?」

「急に距離を詰めるな怖いな。」

「すまん……。儂お前さんの地域担当の神で……結構愛着とかあって……。」

「感覚が近所の野良猫を見る感じよね。」

「いや、もうぶっちゃけなんでも一個願いを叶えてあげるよ。何がいい?」

「じゃあ黒髪の美人を魂のパートナーに付けて剣と魔法の世界に転生させてください。他には何も望みません。ロングであれば最高です。靴舐めましょうか?」

「お前さんも中々じゃないか?」


 黒髪ロングの美少女(美女)剣士は命より重い。


「まあ良かろう。君が今から転生するのは……、この日本に比べれば発展途上。その代わりに剣と魔法の溢れる中世ヨーロッパのような世界じゃが問題ないな?」

「ナーロッパの造形は深い方です!」

「ならよろしい。パートナーの方は……、お望みのやつを探しておこう。」

「先に何人かの候補を選ばせてほし_____、」



 最後に黒い光のようなものに包まれて、それが俺の第一の人生の終わりになったのだった。




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