15話 出会い
生徒達を中で待たせルイスとベリアルが外に出ると、ものの数秒で視界に三台の馬車が確認できた。
囚人移送用の馬車が中央に配置され、その前後に一台ずつ馬車が走っている。
逃走を警戒してのことだろう、前後の馬車からも屈強な者の気配がする。
「ルイス殿でお間違いはありませんか?」
前を走る馬車の御者が、地面に降りてルイスの前に立つ。
「ええ、私がルイスです」
「かしこまりました、ではノヴァの引き渡しを行います。どうぞ、中央の馬車へ」
言われるがまま後に続き、ルイスとベリアルは馬車の扉、その前に立った。
ベリアルは相当緊張しているようで、額に汗をかきながらルイスの隣で息をしている。
「ではノヴァを馬車より下ろします、どうか油断なさらぬよう」
そして――御者が馬車の扉に手を触れた瞬間、ただならぬ気配を感じ、ルイスは御者を蹴り飛ばした。
御者の体が水平に吹き飛び、地面を転がって横たわる。
「ルイス殿、何を――!」
ベリアルが声を発した瞬間、馬車からまるで槍とも見間違える無数の棘が生え、さっきまで御者の居た地面へ何本も突き刺さった。
ルイスが蹴り飛ばしていなければ、今頃御者は穴だらけになっていただろう。
「おや、躱されましたか? 趣向に飛んだ挨拶だと思ったのですがね……」
馬車の中から声が聞こえ、扉が内側から開いていく。
「空が眩しいですね、自分の足で地面に立つなんて、いったい何百年ぶりでしょうか」
馬車から降りた男。
黒い長髪を後ろで一つにまとめ、捕縛布と革紐で体中の自由を縛られている。
だが下半身だけはその拘束具が破けており、自由に歩き回れるようだった。
「始めまして、私の名前はノヴァ。どうぞお見知りおきを」
地面に降りた男は満面の笑みを浮かべ、ドス黒いオーラを放つ。
ベリアルは立つだけで精いっぱいといった様子で、体中を震わせていた。
(なんだ、こいつ……)
出会い頭に平然と危害を加えようとし、笑顔を常に絶やさず敬語で話す。
そんなチグハグさが、さも普通であるかのような空気を身にまとっていた。
「よろしければ、お名前をお伺いしたいのですが?」
ノヴァがルイスを見て、笑顔で問いを投げる。
「私の名前はルイスだ、君の噂は聞いているよ」
「おや、私の事をご存知なのですか。それは光栄ですね」
純粋な子供のように笑うノヴァは前へと進み、息が顔にかかるほど近付いてきた。
笑顔を崩さずにただ一点を見つめるノヴァに、ルイスも対抗して目を逸らさない。
「ところで、私の拘束を外して頂きたいのですが?」
「駄目だよ“契約”がまだだ、それが終われば外してあげるさ」
「あー、そういえばそうでしたね。いやはや、精霊術師が“契約”を忘れるなどあってはなりませんね」
本気で恥じているように、そしてその恥を取り繕うかのようにノヴァは「アハハ」と笑う。
「さて、私とどのような契約を結ぶおつもりですか?」
「契約は三つ、一つは生徒に一切の危害を加えない。二つ、指示がある時以外はこの学び舎の外へは出ない。三つ、私の指示には従う事だ」
「精霊術師としては三つ目の契約はお受けできませんね、抽象的すぎて私も制約を守れない」
「ならば三つ目は他人に危害を加えない。これでどうだ?」
ノヴァは目を閉じて首を捻り、少しだけ考えこむような素振りを見せる。
そして目を見開き、再び笑顔になった。
「それでしたら、お受けできます。それで、その制約の見返りに、アナタは私に何をくれるのですか?」
「この学び舎において、束の間の自由を約束しよう。だが無制限の自由というわけではない、地下牢に入ってもらうし、行動するときは常に私と共にだ」
「その程度でしたら、喜んでお受けしましょう」
ノヴァはニコリと笑い、一歩後ろに下がると頭を下げる。
深々と、頭を下げる。
「正気ですか、ルイス殿! 今のをアナタも見たでしょう!」
「大丈夫だ、ノヴァは確かに“契約”に応じた。これを破れば罰を受けるのはこの男だよ」
「そんな契約に何の意味があるのですか! 今からでも王都に返すべきです!」
ノヴァの殺気と魔力にあてられたのか、ベリアルは必至の形相で叫ぶ。
彼はルイスを本気で心配しているのだろう、それ故に必死なのだ。
「うるさいですね、誰ですかアナタ?」
瞬間、あふれ出る魔力と殺気に反応し、ルイスの体が自然と構える。
その顔が目に入った瞬間、考えるよりも先にルイスの体は動いていた
「喰い殺しますよ」
先ほどの棘が再び地面から生えてベリアルを襲った。
ほんの瞬きにも満たない速度で無数の棘がベリアルの喉元へ迫り、血飛沫と共にベリアルが地面に倒れこむ。
「大丈夫かい、ベリアル君」
「ええ、何とか――」
ルイスはベリアルに声をかける。
手を貸せるような状況でもない、この男から一瞬も目を離したくはない。
「ル、ルイス殿!?」
地面から上体を起こしたベリアルは、ルイスの腕を見た瞬間に大声を上げた。
「その腕、大丈夫なんですか!」
「かすり傷、とは言えないが問題はないよ」
ルイスは血だらけの右腕をぶら下げながら答える。
ベリアルに棘が襲う瞬間、どうやっても間に合わないと判断したルイスは、ベリアルの前に腕を差し出した。防御魔法や結界の展開もギリギリ間に合わなかったので、ルイスの腕はズタズタだ。
「へぇ、そんな男を庇うのですね。その男を身を挺して守る価値がありますか?」
ノヴァが心から感心したような表情と声色を出す。
どこまでも気持ちが悪い男にルイスはただ睨みつける、ルイスが助けなければベリアルは死んでいた。
「他者に危害を加えない、それが契約のはずだが?」
「その方は他者ではなく、この地に住む兵士でしょう? ならば契約違反ではありません」
「そんな屁理屈が通じるとでも?」
「それを判断するのはアナタではなく、私の魂です」
「ル、ルイス先生! 大丈夫なの⁉」
唐突に空から声がして、見上げるとメイアが窓から顔を出していた。
今の騒ぎを聞きつけたらしい、外には出ないようにと言ったはずだが。
「あのお嬢さんはこの学び舎の生徒ですか?」
ノヴァが笑いながら問いを投げ、同時にルイスは戦闘態勢に入った。
殺意と敵意、その両方を出しながらノヴァを睨む。
「あの子に手を出せば、お前を殺す」
ただ静かな声。
ルイスにはそれを実現するだけの力があり、ノヴァもそれを察したのか笑顔を浮かべる。
「あの子は生徒なのでしょう? そうであるのならば危害は加えません、なにより『特異点』の観測者など、私が害を及ぼせるはずもありません」
特異点の観測者?
ノヴァの言う言葉がどういう意味をもつのか理解できず、問い返そうとした瞬間。
二人の間を、怒声が割った。
「そこまでだ、ノヴァ! 僕との契約を忘れたわけじゃないだろう?」
「おやおや、アナタでしたか。お久しぶりです、王都の地下牢以来ですね」
そこに居たのはクロードだった。
彼は兵長、それにルイスと手合わせした大男とゲイルを連れ、他十数名ほど兵士を引き連れている。全員緊張した面持ちで、武器を手に取りクロードを囲って守るように配置されていた。
「遅くなったね、ルイス。ノヴァがどのような行動をとるか見る必要があったんだ」
「遅れた事は気にしない、それよりクロード達は馬車の中に居る人たちの治療を」
ベリアルは何のことか理解できていないようだった。
囚人であるノヴァが、自らの足で馬車を降りるなどありえないなんて、少し考えれば解るだろう。だが、ノヴァに対する恐怖で思考が回っていないのか、ルイスの思考に追いつくことができない。
「いえ、一般人に危害を及ぼさないという契約でしたので。王都の兵士であれば問題なしと判断しました」
笑顔で答えるノヴァに、ベリアルの表情が徐々に曇っていく。
「貴様、まさか!」
「安心してください、殺してはいませんよ。どうぞご確認ください」
ノヴァは自らの足で馬車の扉を蹴破ると、中にあった光景を周囲に見せてきた。
そこにあったのは、一面の血。
馬車の中は、無数の棘が監視役である兵士達を貫いていた。
胸が上下に動いているのを見るに、生きてはいるようだ。
しかし危険な状況であることには間違いない。
「少々腹が立っていましたのでね、丁度いい機会ですし半殺しにさせて頂きました。しかし喰いがいの無い方々でしてね、喰い殺す価値すらありませんでした」
瞬間、加速したルイスの拳がノヴァの顔にめり込む。
防御もとれなかったノヴァは、そのまま空中を飛び、二、三度地面を跳ねて転がった。
「クハハ、痛いですね」
上半身だけを起こしたノヴァは、相変わらず笑みを絶やさない。
「彼らを傷付けられて怒ったのですか? アナタ、半魔にしては少々変わった感性を持たれてますね」
「何を勘違いしている?」
地面を蹴りノヴァとの間合いを詰め、ルイスはただひたすらに睨む。
「私は、君が刺した右腕の分。借りを返しただけだ」
「クハハ、それは申し訳ない」
ノヴァは笑いながら倒れると、笑顔のまま瞼を閉じる。
「このまま戦闘になっても私に勝ち目はありませんね、何より活動限界のようです」
ノヴァは一つ、大きな欠伸をすると目尻に涙を浮かべる。
上半身を縛られたまま伸びをし、眠たそうな顔をして首を落とすとそのまま寝息を立て始める。
(――寝た?)
ルイスは警戒を解かずにノヴァを見つめていると、隣へクロードが歩いてきた。
「僕との契約が発動したようだね。彼は間違いなく眠っているよ」
どういう事が問いたくなったが、今はそれどころではない。
ルイスは険しい表情を浮かべ、隣に立つクロードをみやる。
「クロード、どうやら私達は楽観視していたらしい。この男、予想以上だぞ」
「解っているさ、だがどうにかしなくてはならないだろう?」
ふと後ろに目をやると、馬車の中に居た者達をクロードの兵士が運び出していた。
危険な状態だろう、ルイスも治癒魔法で援護に回りたいがノヴァから目を話すわけにはいかない。
「クロード様! そんなに近付いては危険です!」
兵長がクロードとノヴァの間に割って入り、剣を構えながら叫んだ。
一方でクロードは涼しい顔のまま兵長をなだめると、ノヴァに向けて指をさす。
「問題ないよ兵長、それより彼を牢獄へ運ぶんだ。彼が眠っている内に」
「本当に眠っているのですか? 寝たフリと言うことも」
「大丈夫だ、見ていれば解る」
ふとルイスは魔力の変動を感じ、ノヴァを凝視した。
彼の中で何かが変異している。
「なんだ、これは……」
兵長が息をのみ、ノヴァを見つめる。
「姿が変わっていく?」
兵長の言葉通り、ノヴァの体がゆっくりと姿を変えていく。
四肢は縮み、髪の色がどんどん青くなる。
その変化が十秒ほど続き、ノヴァの体は一人の少女へと形を変えた。
「彼女がノヴァの器に選ばれた哀れな少女、アイニールだよ」
××××
幼い寝顔だが年齢はフリーシェと同じくらいだろうか、ノヴァの面影がある美しい顔立ち。
髪の色は完全な藍色へと変色し、身長も一回り小さくなったようだ。
服のあちこちに隙間が空できている。
「ん、ん……?」
瞼を何度か動かし、少女はゆっくりと目を開けた。
そして顔を上げて周囲を見渡し、痛みを堪えるように歯を食いしばる。
「ノヴァの痛みが彼女にも引き継がれたのだろう」
クロードは膝をつくと、アイニールの頬に手を当てて治癒魔法を唱える。
「こんな少女が、人型魔導兵器なのですか?」
目の前で起こった光景に、兵長は信じられないといった表情だ。
そして、ルイスも同じように目を奪われた。
クロードから話を聞いてはいたが、まさかまったくの別人になるとは思いもしなかった。
「クロード、代わろう。治癒魔法なら私の方が得意だ」
「そうだね、そうしようか」
警戒しつつもクロードに変わってアイニールの頬に手を触れる。
歯も折れているだろうか。
ノヴァが相手と思い、手加減はしなかった。
この子にもダメージが行くと理解していれば、そもそも手を出さなかったのに。
罪悪感で心が満たされつつ、ルイスはアイニールの瞳を見る。
彼女は暗い瞳で、ただ黙ってルイスに顔を向ける。
何も感じない、何を考えているのか一切読めない。
その瞳を見つめる事数秒、ルイスの回復魔法が終わり腫れた頬が小さくなった。
「これで怪我も治ったろう、まだ違和感や痛みもあると思うが、それもすぐに治る」
笑顔を向けてアイニールの頭を撫でてみたが、目を閉じるだけで何も反応しない。
「話せるかい?」
ルイスの言葉に、アイニールはゆっくりと頷く。
「名前は?」
「……アイニール」
「まだ、痛むかい?」
肯定。
「私を恨むかい?」
否定。
「今、ノヴァが何をしているのか教えてくれる?」
否定。
口を開いたのは自分の名前を発する時だけ。
そもそも感情というものさえ存在しているのか?
なにも解らない。
「クロード、とにかくこの子を運ぼう。いつノヴァに変身するか――」
瞬間。
アイニールがルイスの手を掴み、思わず言葉を中断した。
とても弱い力で、少し引けば一瞬で解けてしまうような弱さ。
そんなアイニールはルイスの瞳を見つめ、目尻に涙を浮かべる。
「たす……けて……お願い……」
思わず、息をのんだ。
残酷な事をするものだ。
この子が一体何をした、他人の魂を植え付けられるほどの罪を、この子が犯したとでも言うのか。
何故この子が奪われなければならない、何故この子が助けを求めるほど追い詰められなければならない。
何度も何度も、同じ疑問がルイスの頭を巡っていた。
だが、それでも一つだけ答えるべき言葉がある。
「わかった、助ける」
ルイスの返答に、アイニールは安心したかのように眠ってしまった。
この怒りをどこへぶつければいい。
答えもない問いを、ルイスは頭の中で繰り返す。
「とりあえず彼女を地下牢へ運ぶ、その後でクロード。君に話がある」
クロードは一度だけ頷き、ルイスを見つめた。
×××
「あの少女は今どこに?」
学び舎にある応接間。
そこでルイス、クロード、兵長、そしてベリアルの四人はテーブルを囲っていた。
「地下牢に入れてある。結界も張った、万が一ノヴァが目を覚ましても出られることはないだろう」
ルイスはアイニールを地下牢に入れた後、牢屋を三類の結界と四種類の防御魔法で覆い、全てに詠唱を唱えておいた。
それなりに魔力を消費したが、あそこまで厳重にしておけば、例え勇者や魔王ですら脱獄することは容易ではないだろう。
「そうか、君の仕事であれば疑う余地はないね。ルイス、ありがとう」
「…………」
ルイスは何も答えずにクロードを見つめる。
そんな話をするために集まったわけではないと理解できているはずだ。
「クロード、あの子は変身したが、アレは何だ?」
「肉体の主導権が変わったのさ。ノヴァが主導権を握れば男の姿に。アイニールが主導権を得れば少女の姿になる」
なるほど。
ルイスは一度だけ頷き、またクロードを見つめなおす。
「なら次だ。あらゆる選択肢を答えてくれ。あの子はどうやったら助かる?」
クロードは驚いたように目を見開き、その後ゆっくりと目を閉じて頷いた。
「助ける条件はノヴァをあの子の肉体から開放する、という事でいいかい?」
「ああ、それでいい。アイニールが自由になるために、私は何をすればいい」
「色々と可能性はあるが、強いてあげられるのは三つくらいだ」
クロードは指を三本立てて、一つ一つ可能性を提示していく。
「まず一つ目、ノヴァを説得し、自分の肉体に帰ってもらうよう交渉する。
これならばあの子にも害はなく、平和的に解決できる。
だがこれは不可能と言っていいだろう。まずノヴァが再び封印される事を了承するはずがないし”契約”としても対価が大きすぎるだろう」
それが不可能なのは、ルイスにも理解できる。
「そして二つ目、アイニールの肉体からノヴァを引きずり出して消滅させる。
魂だけの存在になればイフリートのような思念体になるから、ルイスが殺せるだろう。
しかしこれも不可能だ」
「どうしてだ?」
「魂を引きずり出す事ができない」
魂魄学に精通していないルイスには、まずアイニールの肉体からノヴァの魂を引きずり出す事ができるのかすら疑問だ。
順を追って説明を願うと、クロードは頷いて口を開いた。
「僕は魂魄学の第一人者だ、他人の魂を引きずりだすくらいはできる。
しかしこれは使い勝手が悪くてね、魂を引きずり出しても相手は死なない、
無防備になるだろうが魂を抜かれた事が原因で死ぬことはないんだ」
「魂を引きずりだす、それは可能なんだな?」
「理論的にはね、しかしアイニールからノヴァを引きずり出す――これは不可能だ。
魂というものにも強度があってね、ノヴァの魂を引きずり出す難易度を例えるのなら……海の底にある重さ五〇〇キロの鉛を海面まで持ち上げるような事さ」
例えは微妙に理解しにくいが、ほぼ不可能ということだけは理解できた。
「技術的に不可能という事か?」
「技術というより力量だよ。僕じゃノヴァの魂を引きずり出せない」
クロードは『しかし』と間をおいて、話題を変えた。
「今のノヴァの魂は、アイニール同居していると言っていい。ノヴァを引きずり出す際、アイニールの助力も得られる。
あの子の魂の強度がノヴァに肉薄するのならば、だけどね。勇者でもない少女がそんな強度の魂を持っているなんて事はありえないだろう」
アイニールがノヴァを肉体から追い出し、同時にクロードが外から引っ張りだす。と言うことで間違いないか?
ルイスがそう訊ねてみると、クロードは「その通り、理解が早くて助かるよ」と笑った。
「そして三つ目、これが一番現実的だ。ノヴァの魂を、別の肉体に移す。
ノヴァはあんな少女の肉体では全力も出せず他に移動したがっている、そして僕達はアイニールを助けたがっている。
ここはウィンウィンの関係を築けているし、ノヴァも了承してくれるだろう」
「別の肉体に?」
それでは別の犠牲者が必要になる。
アイニールのように、誰かの助けを求めるようになる。
「君の言いたい事は解る、だがこれくらいしか選択肢は無いんだ。僕が始めた実験でノヴァという怪物が眼覚め、多くの犠牲者がでた。僕もアイニールを助けたい、しかし助けようがないのさ」
不当に奪われる事を、ルイスは忌避する。
それは物であろうと、財であろうと、そして人であろうと。
あんな少女が未来を奪われて良いはずがない。
何よりアイニールは助けてと言った。
「私は他の勇者とは違う、英雄でもなければ全ての人民を助けるつもりもない。ただ自分が助けたいと思った人は助けたい。ノヴァと取引をしてくる、私はアイニールを助けるよ」
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