07話 新入りと転入生
...え?
「え?ちょっ待て、どういう事だ?」
「どういう事も何も、私は特班の者ですが?」
と、その女は言う。だが、こんな奴は特班の人間では見た事が無い。もしかして新入りとか...?
「その...もしかして新入りとか?」
と、俺が言うと彼女は、
「まあ、新入りと言えば新入りですかね。でもこういう経験が無いわけではありませんよ?」
と、彼女が言うと、
「とりあえず、この状況をどうにかしないとですね」
「あっ、そうだった...」
すっかり忘れてた。だがこの人数を一度に相手できるだろうか..しかもリルを護りながら...流石に無理があるな...と、そう思っていた時、
「茶番はもういいか...?我々にも時間があまり無いからな。もう終わらせてもらう...」
「っ!!」
と、男達はリルを除いた、俺と”特班を名乗る女”に向けて攻撃をしようとした時、
「神田君、リルさん、こっちへ!」
と、スっと俺たちに手を差し伸べてきた。一体何をする気なのだろうか...
「何をする気だ?」
「今は言ってる余裕がありません」
と、彼女は言った。そして、
「本当なら、目標を安全に確保したかったが、仕方がない...死ねっ!!」
男達は、攻撃してきた。もうダメだ...と思ったとその時――
フッ!
「何っ!何処に行きやがった!?」
「き、消えた!?」
「くそっ!探し出せ!!」
「...ここは?」
...気がついたら俺達は、知らない建物の屋上にいた。すると、
「条介...」
「っ!リル!無事か!?」
「ええ、なんとか...」
リルは無事なようだ。怪我もしてないみたいだ。
「神田君」
「...?」
振り向くと、特班を名乗る女がいた。
「あの時何をしたんだ?」
「私の能力で逃げたのよ」
と、彼女は言う。
「お前の能力?」
「ええ。私の能力は”空間移動”で、空間を瞬時に移動する事ができるの」
「へぇ~...」
...正直俺の能力よりも相当便利そうだ。よく遅刻する俺からしたらな......
「そういえばお前の名前は?」
「...そのうち分かりますよ」
と、ニコッとしながら言った。どういう事なのかは分からない。
そして――
「ふぁぁ...」
8:20...
「やべっ!早くしねぇと!!」
ドタドタッ!
「んーっ!はぁぁ..おはよう、条介」
リルが背伸びをしながら挨拶したが、
「悪ぃリル。今日は一人で朝ごはん食べといてくれ」
「えっ?」
そう言って俺は学校にダッシュで向かった。
ダッダッダッ...
「はぁはぁ、間に合うか!?」
そう言っていると、
「あ!条介ー!早くしなよーっ!!」
クラスメイトの夜戸が、門の前で俺を待っていた。
「はっはっ、間に合ったか!?」
と、時計を見ると、
8:30...ギリギリだな....
「条介、間に合ってよかったね!(ニコッ)」
「ニヤニヤしながら言うなよ...」
そして俺と夜戸は教室へ向かった。
「そういえば条介、このクラスに転入生が来るらしいよ!」
「え、そうなの?」
どうやら、このクラスに転入生が来るみたいだ。そしてしばらくすると、
ガララッ...
「皆さん、おはようございます。今日は知ってる人もいるでしょうが、このクラスに転入生が来ます!」
と、先生が言う。教室は転入生の事でざわめいている...まあ、転入生なんて珍しいから仕方なないか。
「それでは転入生を紹介します!どうぞ、入ってきてください!」
カッコッカッコッ...
靴音を鳴らしながら入って来たのは。...
「はじめまして。私の名前は”月宮弥生”です。よろしくお願いします」
と、転入生が、頭を下げた...だが、
「...え?こいつ...」
...間違いない。この女、あの時”特班を名乗る女”だ...何故ここにいるのかは分からない。
「それじゃあ月宮さんの席は、神田君の後ろの席ね」
「はい」
そのまま俺の後ろの席に座った...そして後ろから、
「これからよろしくね、神田君..(ニコッ)」
「お、おう...ってかなんでこの学校に?」
「特班に入る際に引越しする必要があって、その引越し先から一番近い学校がここだったから...」
「ああ、なるほど。あと、この学校の中では、特班の名前はあんまり出すなよ...?」
「もちろん分かってるわよ」
と、特班の人間が転入してきたのであった...
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