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ゴブリン召喚士  作者: ピッピ
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第25章 ゴブリン部隊

ブックマークや評価ありがとうございます。励みになります。


 子爵の親が俺を狙っているらしいので、戦う準備をする事にした。普通なら男爵と伯爵では領地の広さや人口の差で絶対男爵が負けるのだ。だが俺にはゴブリン達とダンジョンが有る。もう二度と俺の領地の人間は殺させない、俺の領地に敵意を持って入れば二度と故郷に帰る事は無い様にしてやる。ここは今から本物の人外魔境と化すのだ。


 「よし、アーサー、ゴブ吉。今日から本気でゴブリン達を育てるぞ。」


 「お任せ下さい、主殿。」


 「任せるゴブ!」


 アーサーにソードゴブリンを任せてダンジョンに入らせる。同時にゴブ吉にはメイジを連れて違う階層でゴブリン達を育成させる。またバーバラはハイウオーリアーを連れてゴブリンヒーラーを育成させる。そして育ったゴブリンは自分より下位のゴブリンを連れてダンジョンに入り後輩を育成するのだ。

 これで24時間体制で急ピッチでゴブリンの育成が始まった。俺はダンジョンの入り口付近でハイゴブリン達と共に24時間体制で飯を作っている。クラスチェンジ可能なゴブリンは直ぐに俺がクラスチェンジさせる。勿論休息する場所も風呂も24時間稼働中だ、元から有ったダンジョン村は今では2倍の大きさになり、400匹のゴブリンが今住み込んでいた。補給物資は今では豊かになったゴブリン町からジャンジャン送られて来た。

 そこにナルト伯爵から、辺境伯に動きが有るとの情報が入って来た。


 「何だか凄い事になったな。」


 「主殿、皆頑張りました。」


 ここに400匹のゴブリンを連れて来たのだが、4週間24時間体制で鍛えていたので全員クラスチェンジしていた。元々ゴブリンは弱い種族なので直ぐにレベルアップして行くのだ。そこに強い仲間がいて成長を手伝い始めると手が付けられない程強くなる。俺達4人がやって来た事を今度は400人のゴブリンにやったのだ。


 「現在、10名のジェネラルソードゴブリンが生まれました。のこり90名はハイソードです。」


 「こっちはロード・メイジが9人ゴブ。火、水、土、風。何でも使えるゴブよ。後は50人のハイメイ ジ達がそこそこ戦えるゴブ。」


 「こちらも、ロード・ゴブリンヒーラーが5名生まれましたから、治療は万全ですわ。残りの30名も ハイゴブリンヒーラーですから中程度の怪我なら治せますわ。」


 「そしてジェネラル・ウォーリアーが3人とハイウォーリアーが200人か。」


 今回初めて、ジェネラルウォーリアーゴブリンを見たが凄い見た目だった。2メートルを超える緑色の巨人なのだ、今までのゴブリンは上位に成るほど人間に近づいて来たのだが、ウォーリアー達は違う様だ。口から牙が覗き恐ろし気な顔をしていた。

 結構な戦力になったと思う、実際に戦ってみないと本当の強さは分からないが。ロードクラスに成ると大体人間で言うと最上位の騎士クラスの実力は有るのだ。この上のキングクラスに成ると騎士ではなく、騎士団が相手にする程の怪物なのだ。


 「まあ、こんなもんだろう、50名ほどをここに残して、一旦帰るぞ。」


 ダンジョン村に残した、50人には引き続きレベルアップに励んでもらう事にする。万が一の事も考えて各上級クラスも1名づつ残しておく、これでこのダンジョン村の守りは大丈夫だろう。このダンジョンの事は人間には秘密なのだ、俺達の隠し財産なのだ。


 「師匠、何か名前付けるゴブよ。」


 「名前?」


 「折角皆強くなって立派になったから、ナナシじゃ詰まんないゴブ。」


 「マスター、私もカッコ良い名前が良いと思いますわ。」


 「拙者も、そろそろ主の名を天下に知らしめる時だと思うでござる。」


 「名前ねえ?俺は絶望的に名前付けるセンス無いからな~。」


 「某の名前はカッコ良いですぞ。バーバラ殿も中々麗しい名前でござる。」


 「俺だけ変ゴブ、」


 「すまん、全然考えつかん。今はナナシで行こう。」


 無理して変な名前を付けるより後で皆で決めようとして今回は軍団の名前は無しだ、帰りの道すがら色々考えてみたが本当に何も考えられない、エクスカリバーとかグラディウス何かはカッコ良い気がするが何か違うような気がするのだ。


 「おう男爵、帰って来たか。」


 「あれ、ナルト伯爵どうしてここへ?」


 「いや~、俺も戦がしてみたくてな。一応武闘派なんだが実戦経験ゼロなんだわ。」


 「あれ、そうだったんですか。何だか歴戦の戦士かと思ってました。」


 「俺が伯爵を継いだ時には平和になっていてな、戦争自体がここ15年程辺境じゃ起こって無いんだ。  だからな、若い兵隊が弱いんだ。」


 伯爵は自分と自分の若い兵隊に実戦経験を積ませる為に、オオイタに助っ人に来たらしい。見どころの有りそうな騎兵100名を連れて来ていた。全員スキル持ちだそうだ。

 騎兵はお揃いの革の鎧を着てカッコ良かった。一方俺達ゴブリンは腰布だけの奴までいて余り見栄えが良くなかった。これはいかんな、俺達も少し見栄えを良くした方が良さそうだ。それに分捕った馬も30頭近く居るから騎馬隊も一応出来そうだ。


 「でもいいんですか伯爵、危険ですよ?」


 「だから良いんじゃねーか。実戦を積まないと兵士は強くならねーんだよ。いざという時に役に立たな  い兵士はいらね~よ。」


 流石武闘派、修羅の国の領主だけの事はある。やる気満々だ。でもこれは俺の戦いなので俺達の後ろに控えてもらう事にした。自分の領地は自分で守るのだ。辺境伯軍は大森林を通ってやって来るらしいので、俺達は森の中に進軍する。村や町が荒らされると困るからだ。

 そして用心のためクニサキの町にも50人程のゴブリン達を送って町を守らせる。これで俺達は300人のゴブリン部隊と伯爵軍100人を合わせて400人の軍隊になった。


 大森林は広くて道が一本しかないのが特徴だ、そしてその道も狭くて凸凹なので移動に時間が掛かるのだ綺麗な道が有れば多分辺境伯の街まで4日位だろうが、険しい山道なので1週間以上掛かるのだ。そのせいで俺の村と辺境伯の街は交流が無かった。

 軍隊が通るならこの狭い道なので、俺は斥候を3チーム出して道の周りも警戒した。400人で野営しているのでかなり賑やかだ、木をかなり伐り倒して50メートル四方の広場を作った、そして俺の村からは食料等が送られて来ていた。


 「男爵、お前の所は豊だな。」


 「俺の所がですか?」


 「急な戦なのに、ジャンジャン食料が送られて来るじゃねーか。中々出来ない事だぞ。」


 「ウチは人が少ないけど、畑は広いですからね。食い物は余ってるんですよ。それこそ売るほど有りま  すよ。」


 「これだけの戦力が有れば、俺の領地位簡単に落とせそうだな。全然勝てる気がしね~。」


 「なんで俺がそんな面倒な事をしなくちゃいけないんですか?」


 「広い領地とか欲しくねーのか?」


 「要りませんよそんなもの、大体クニサキ町も要らなかったんですけどね。俺はオオイタとベップだけ  で十分なんですよ。」


 「そう言えば、金も名誉ももう持ってたんだったな。今更田舎の土地何かに興味は無いって事か。」


 何だか伯爵は一人で納得していた。冗談じゃない広い領地など持ったら毎日道作り決定だ、一生道を作り続けるのは嫌なのだ。


 「見つけたゴブ!」


 偵察に出していたゴブリンが大急ぎで帰って来た。


 「よし、良くやった。何人ぐらいだ?」


 「???、いっぱいゴブ?」


 そうだった、ゴブリン達には読み書きは教えていたが、数は教えていなかったのだ。帰ったらゴブリンにも数や計算を教えようと思った。いやいっそ村人と一緒に学べる学校を作るのも良いかもしれない。


 「俺達より多いか?」


 「俺達より少ないゴブよ。」


 「さて、伯爵どうしましょう?」


 「うむ、こういう場合は道の両端に隠れて、両側から襲うのが一番だな。味方の被害が少なくて済    む。」


 「それじゃあ、そうしましょう。」


 俺はゴブリン達を、150人づつ道の左右に隠れさせた、直ぐにばれない様に道から10メートル程入った場所に静かに皆隠れている。元々ゴブリンの色が緑色なのはゴブリンは森の住民だからだ。ゴブリンは森の中で一番力がでる種族なのだ、おまけに隠れるのが非常に上手い。弱いから見つかると不利なので子供の頃から隠れる訓練をしているのだ。上手く隠れられないゴブリンは死んでしまうので、上手く隠れる事が出来るゴブリン達の子孫だけが生き延びていた。

 伯爵達は全員騎兵なので、相手を追撃してもらう為に道の奥の方に配置してもらった。俺達が相手に攻撃して相手が逃げ出した所を叩いてもらうのだ。逃げてる相手を背中から攻撃するので多分大して危険はないだろう。


 「男爵、もう少しだ。」


 「はい。」


 何故か伯爵は俺の隣にいて俺に助言してくれる。まあ俺の周りにはアーサーやゴブ吉が居るから一番安全な所では有るのだが、自分の安全よりも戦闘に参加したい様に見えるのだ。


 「今だ、男爵!」


 「全員かかれ!」


 俺はゴブリン達に命令した、目の前には辺境伯の兵士200名と補給部隊100名がいる。森の中を長い事行軍して来て疲れてる様だった。


 「うわあ~!!何だこいつら!」


 「ゴブリンだ!ゴブリンが襲って来たぞ!」


 そうなのだよく考えたら、俺の部下は全部ゴブリンだったのだ。男爵領を攻めるはずだった辺境伯の兵士たちは、森の中でゴブリンに襲われてパニックに陥っていた。


 「逃げろ!こいつら強い!」


 「撤退だ!引け!引け!」


 浮足立った辺境伯軍は壊滅した、数でも質でも俺達の方が上なのだ。おまけにここは俺達の森なのだ。負ける要素が全くない戦いだった。


 「やはり俺達の出番は無かったか。凄まじい強さだな男爵の兵隊達は。」


 「はい、ありがとうございます。伯爵。この後はどうすれば良いのでしょう?」


 「相手の装備をはぎ取って自軍の物にして、相手の死体は埋葬だな。」


 「相手の装備を取って良いんですか?」


 「人の領土に攻め込んだ兵士は殺されても文句は言えないぞ、なにせ相手を殺すつもりで来てるんだか  らな。話し合いなら堂々と使者が来るはずだ。」


 俺達は死んだ兵士たちを埋葬して墓を作ってやった。そして装備品や馬等は有難く頂く事にした。辺境伯のお陰で俺達は益々強くなった。


 「伯爵、またあいつら来ますかね?」


 「当分来ないと思うぞ。幾ら伯爵とは言え兵士300人失うのは痛いからな、それに300人で駄目   だったから次は1000人用意しないといけないからな。相当な金と時間が掛かるだろうな。」


 「それじゃあ、当分静かに暮らせそうですね。」


 「来るとしても、来年の収穫期の後だろうな。次は俺達にもやらせろよな!」


 大部隊が動くと直ぐ分かるので、伯爵がまた辺境伯の行動を教えてくれるそうだ。俺の領民は少ないし他の領地に知り合いが居ないので、他の領地の情報が入らないのだ。俺達も隣の領地の情報を調べる手段を持たないといけなくなってきた様だ。

 俺達の領地はこれから色々変えていかなければならない事が多すぎる気がした。







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