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ゴブリン召喚士  作者: ピッピ
22/34

第22章 子爵


 「増えたゴブ」

 「本当にな~。」


 俺の前にはオークとオーがの魔石が山の様に有った。ダンジョンでアーサー達とゴブ吉達が集めて来るからだ。この3か月でハイソードゴブリンが10人、ハイメイジゴブリンが8人、ハイヒールゴブリンが7人増えていた。ゴブリン村の連中は交代でダンジョン村に行くのでその内俺のゴブリン町は上位種のゴブリンだらけになりそうだった。

 今ではゴブリン達だけでレベルアップが出来る様になったので、アーサーとゴブ吉は俺の屋敷に戻ってきていた。また俺の護衛をするそうだ。敵もいないのに。


 「増えすぎたから売りに行くか?」

 「それがいいゴブね。あいつらに服でも買ってやると喜ぶごぶよ。」

 「それじゃあ、皆で明日クニサキに行こう。」


 クラスチェンジして一番困るのは雌のゴブリンだった。ハイヒールゴブリンになると人型になるので服をきてもらわないと、ゆさゆさして大変なのだ。何故かみんなとても大きいので着ても結構目立つのだが、着てないよりは大部増しだった。

 クニサキは人口1000人の小さな町なので魔石を100個だけ持って行く事にした。あまり多くても買い取れないだろうから。少しでも売れれば儲けものだ。何せゴブリン達が毎月どっさり持って帰って来て、クラスチェンジのお礼だと言って全部俺にくれるのだ。


 俺達4人は何時もの様に馬車でクニサキに向かい、出入りの行商人に魔石を買い取ってもらえそうなところを教えてもらった。この町で魔石を買い取ってくれるのは薬屋だった。魔女の様な婆さんがしている小さな店だ。


 「こんちは、魔石を買い取ってもらいたいいんだが?」

 「おや、男爵様いらっしゃい。魔石を見せてもらえるかい?」

 「ああ、オークの魔石が50と、オーガの魔石が50だよ。」


 このお婆さんは中級ポーションまで作れる薬師だったので、オーガの魔石までなら買い取れるそうだ。これ以上の魔物の魔石は上級ポーションや魔道具を作る時に使う魔石なので、上級の薬師でないと買い取っても役に立たないらしい。

 ここは田舎でポーションの需要が余り多くないので以前のギルドより少し買い取り価格が安かった。それでもオークの魔石が1個2000ゴールド、オーガの魔石が6000ゴールドで売れたので合わせて40万になった。ダンジョンの街まで一月かけて行くよりはここで売った方が楽だったが。いずれ上位の魔石が手に入りだしたらその内ダンジョンの街に行かなくてはならないだろう。

 

 「やあ買い取って貰ってありがとう、ウチの村に温泉が出来たから今度入りに来ると良いよ。安くしと くよ。」

 「へえ、そりゃあ良いねその内寄らせてもらうよ。」


 村の年寄連中の温泉好きを見て、このお婆さんにも温泉を宣伝してみた。なにせベップ温泉は大陸一の温泉なのだ、因みに一泊3000ゴールドと非常に安く泊まれるようにしている。従業員は勿論村人だ。

 このお婆さんはその後温泉をすっかり気に入って毎月2~3日泊りがけで来るようになった。行商人もすっかり気に入って行商の後は2~3日泊まる常連になっていた。こうしてクニサキからぽつぽつ観光客が来てベップ温泉にお金を落とすようになってきた。


 「ダイ男爵様ですね?」

 「ああ、そうだ。」

 「子爵様がお呼びです。」

 「子爵が俺に何の用だ?」

 「領地が隣なのでご挨拶したいそうです。」

 「分かった、行こう。」


 クニサキの町でお土産を探してウロウロしていた俺達に町の衛兵が声をかけてきた。相手が隣町の領主で俺よりも一つ上の貴族なので大人しく従う事にした。

 この町の中心にある一番大きな2階建ての建物に案内された。大きいと言ってもダンジョンの街のギルドの建物よりはるかに小さな建物だ。辺境の貴族なんて皆貧乏らしい。

 屋敷の執事に応接間に案内された、趣味の悪い金ぴかの安物が沢山置いてある部屋だった。ダンジョンの街で毎晩貴族のパーティーに呼ばれていたので、高価な物は見慣れていたのだ。そして俺達は彼ら貴族より稼いでいたのだ。


 「おまえが、ダイ男爵か?」

 「はい、そうです。」

 「隣に来て一年も挨拶に来ないとは無礼だぞ男爵!」

 「すいません。」

 「聞けば元は平民だとか、貴族の礼儀を知らんのか?」

 「はい、元は冒険者でたまたま貴族になっただけです。貴族の礼儀は全く知りません。」

 「そうか、ならば仕方ないな。ワシは寛大な貴族だから今回は許してやろう。」

 「はい、ありがとうございます。」


 何だか偉そうなヤツだった、実際俺より一つ上の階級だが、許すとか寛大だとか俺に何の関係が有るのかさっぱり分からなかった。俺はこいつに貴族にしてもらった訳でも世話になった訳でも無いのだ。


 「よし、それではダイ男爵。俺の支配下に入れ。特別に貴様を配下にしてやろう。」

 「結構です。」

 「何だと、貴様貧乏領地の男爵のくせにワシに逆らうのか!」

 「何で俺があんたの子分にならないといけないんだ?」

 「わしは子爵で、男爵より偉いからだ。」

 「ハハハ、田舎の子爵風情が偉そうに。俺は毎日伯爵や侯爵とパーティーしてたんだぞ。子爵みたいな 下級貴族を一々相手にすると思ったのか。」

 「何だと。伯爵や侯爵の知り合いだと。」

 「ハハハ、国王とも良く飯を食ってたぞ。」

 「く、平民上りが生意気な・・・」

 「他に用は無いのか?無ければ帰るぞ。」


 別に偉そうにされるのはどうでも良かったのだが、子分になって領地の儲けを半分よこせとか、バーバラを妾に差し出せと言われたので頭に来て言い返したのだ。俺の領地や女が欲しければ戦争でも何でも仕掛けてくれば良いのだ。少し脅された位で降伏するほど俺は臆病でも軟弱でも無いのだ。


 「すまんな、ゴブ吉やっちまった。」

 「全く、師匠は気が短いゴブ!」

 「問題有りませんぞ主殿、拙者が全て切り伏せます故。」

 「マスターは好きにして良いのですよ。私たちが付いてます、」


 子爵領も田舎の領地なので全部集めても2000人位の人しかいない。兵士も全部で50人居るかどうかという弱小領地なのだ。冒険者達を雇ってもせいぜい全部で200人位がせいぜいだろう。その程度の兵力は俺達の敵じゃないので、何時攻められても俺はオオイタやベップを守れる自信が有った。


 「という事が有ったんだ村長。」

 「そうですか、それではこの村の新しい取引先を探さねばなりませんな。」

 「あそこの町では、取引が出来なく成るのかい?」

 「そうですな、まともな領主ならお互い儲かりますから取引の停止とか、立ち入り禁止とかはしません  が。あの子爵は馬鹿で有名な子爵ですからどんな嫌がらせをするか分かりません。」

 「そうか、出入り禁止とかにされたら、村の皆が困るな。」


 そこで村長はクニサキの町を探る為に村人を何人か送った。案の定俺達オオイタの人間は出入り禁止になっていて、入る場合は入場料一人5千ゴールドになっていたそうだ。

 そこで村人全員を集めて全体集会を開くことにした。村人全員に関係のある事なので領主として知らん顔は出来ないのだ。おまけに俺の短気が原因なのだ。


 「村の皆すまん、俺の短気の性でクニサキ町に出入り禁止になった。」

 「男爵様気にする事はね~よ。どうせ金が無いから何も買えないからな。はっはっは~」

 「そうそう、男爵様が来てから腹一杯食える様になっただけ大分マシだ。」


 俺は皆に謝ったのだが、村の皆は非常に好意的なのだ。余計罪悪感がましてくる、農作物等は俺が全部買い取れば良いだけなのでどうという事は無い。しかし日用品が不足するので、ダンジョンの町まで行かなくてはならないのだ。


 「よ~しお前ら良く言った!俺達で男爵領を盛り立てるぞ!クニサキの連中を見返してやるぞ!」

 「おおおおお~!!!!!」


 何だか異常に盛り上がったオオイタ村は船を作る事になった。クニサキの反対方向に有る修羅の国と交易するのだそうだ。山が有る上に道が無いので、陸路だと5日程かかるらしいが、海を使えば2日程で着くのだそうだ。大森林は俺の領地なので木は幾らでも有る。村人総出で作業してる。手先の器用な者は船作りに、そうでない者は港造りだ。勿論ゴブリン達も手伝った。女衆は食事の支度に大活躍だ。そして、仕事の終わりにはベップ温泉が解放された。


 「ゴブ吉、土魔法を使えるメイジを育ててくれ。道を作るのを手伝わせる。」

 「了解ゴブ」

 「アーサー、ウォーリィアーを育ててくれ。道路建設や船を漕ぐゴブリンが欲しい。」

 「御意」


 そして俺は船が出来る間に、ゴブリン達を育てていた。船だけでは交易が難しいし、こちらの村に修羅の国の人たちが来れないから道を造るつもりだった。本来人口400人の村に出来る様な事ではないのだが、俺にはゴブリン達がいるのだ。土魔法を使うメイジゴブリンと力の強いゴブリンウォーリィアーが居れば道も出来るに違いない。


 「私は何をしましょう?」

 「バーバラは村やゴブリン達の畑を浄化して良い作物を作ってくれ。」

 「分かりましたわ、修羅の国で買ってもらえる様に良い作物にしますね。」


 こうやってオオイタ村は着々と交易の準備を進めていた。そんなある日のこと行商人と薬屋が俺の村にやって来た。


 「男爵様、お久しぶりです。」

 「よう久しぶりだな、どうしたんだ?」

 「それが、クニサキは最近税が上がりまして大層住みにくいのでございます。」

 「そうなんじゃ、今までも売り上げの5割も取られてたのが、今では6割なんじゃ。こんなに取られた  らわしらは儲けが全く無いのじゃ。」

 「そりゃ、大変だな。」

 「つきましては、私はこの村にお世話になろうと思いまして、男爵様にお挨拶をしに来た次第でござい  ます。」

 「男爵、ワシ等をこの村の住民にしてくれ、沢山ポーションを作ってやるぞ。」

 「良いよ、好きな所に住むと良い。ただし、皆と仲良くやってくれ。」


 最近のクニサキは住みにくくなったらしい。俺の村は人手不足なので二人を直ぐに受け入れた。特に行商人は修羅の国との交易に役に立ってくれそうだ。薬屋の婆さんは毎日温泉に入って働いていた。ここは天国なのだそうだ。魔石は幾らでも有るので婆さんに好きなだけ使わせた。

 


 

 


 

 

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